学園で一番可愛くて優等生な美少女が、俺にだけ下着を見せてくれる
譲羽唯月
第1話 俺は、透けている美少女の体操着を…
今まで見てきた中で、一番と言っていいほどの可愛らしさを持つ女の子。
ショートヘアスタイルがよく似合う美少女であり、誰とでも対等に愛想の良い笑みを見せる彼女――
勉強も運動も平均以上にでき、先生からの評価も高く親しみやすい存在だった。
殆ど悪いところや変なところがなく、完璧と言った女の子だ。
大和はその子のことが以前から気になっていた。
本当はプライベートでも関わりたいが、そんな勇気を出せるわけもなく、比較的平凡な暮らしをしていた。
なんて話しかければいいんだろ……。
今年から同じ教室なのに、チャンスをモノに出来ていなかった。
好意を抱いている相手と付き合えたら楽しいと思うのだが、彼女は美少女ゆえ、他の人から告白されることが多く、なかなか競争が激しいのだ。
やっぱり、ダメだよな……。
大和は自身の弱さを痛感しながらも、ため息をはくのだった。
「それでは、少し早いが、これで授業を終わりにする。後の事は、今日の日直係でやっておくように。今日の日直は、大和、お前だったか。それと、月渚か。マットを倉庫にしまうだけだし、よろしくな」
体育館。
午前最後の授業終わりに、ジャージ姿の男性教師が、二人の方を見て指示を促してきた。
授業が終わった空気感がその場に広がり、クラスメイトらもその場から立ち去って行く。
次は昼休みの時間。早く授業が終わったのなら、購買部に一足でも向かいたいという人もいるのだ。
最終的に二人だけが、体育館に残ることになった。
今日は月渚と日直であり、大和は運の良さを身に染みて感じ、感謝していた。
普段、彼女とは接点など殆どないが、日直という学校のシステムに大和は救われていたのである。
「大和君、一緒に片付けよっか」
「そ、そうだね」
月渚の方から話しかけてきた。
突然のことに、大和は緊張しながらも返事をする。
体操着姿の二人は体育館に広がっている五枚の運動用マットを一つずつ畳んでしまうことにした。
マットを一人で持ち上げようとすると、結構重かったりする。
大和は一旦手を止めて彼女の方をチラッと見やった。
彼女は手こずっているようで、これだと無駄に時間がかかってしまうと思い、マットの片づけは一緒にやることにした。
「片方は俺の方が持つから……一緒に」
「ありがと」
月渚から優しい表情を貰えた。
それだけでも幸せを感じられていた。
二人っきりとか、大丈夫か、俺は……。
すべてのマットを体育館倉庫に入れ終わっていた。
そんな中、大和は彼女と同じ空間に二人っきりでいる。
冷静に考えると、心臓の鼓動が早くなり、月渚の事を意識しまう。
以前から興味があった子と一緒に作業しているだけでも緊張するのに、なおさら心が高ぶりつつあった。
「ねえ、これ、持てる?」
「え? う、うん、持てるよ」
「私、少し身長が低いから持ち上げられないかも」
体育館倉庫に、マットを積み重ねるように置くタイプのしまい方であり、彼女との身長差では持ち上げるのに不安定感が目立つ。
「大丈夫だよ、俺一人でもできると思うから」
「本当。大和君は優しいんだね」
「これくらいは簡単だから」
大和は一人でマットを持ち上げ、先早に後片付けを終わらせた。
「大和君って普段から何かやっているの? トレーニングとか」
「多少は運動とか。そこまで本格的じゃないけど」
日頃から簡単な筋トレをしていたことも相まって、一応、彼女の前で良いところを見せられたと思う。
月渚の前でアピールできたとしても、それ以降が良くなければ意味がない。
こんなチャンス。
今しかないのに、全然生かし切れていなかった。
これでは駄目だと、大和はグッと拳を握り締める。
話しかける自信があったら、もう少し会話を続けられたのかなと悩んでしまう。
いや、迷ってるくらいなら、行動に移した方がいいよな。
大和は彼女の方を見やる。
勢いを持って行動に移そうとした瞬間だった。
ふと、その視線が月渚の胸元へ向かってしまっていた。
しかも、よくよく見てみると、彼女の体操着は汗で濡れていて透けていた。
下着の色合いが薄っすらと見える状況であり、大和は目を白黒させてしまう。
こ、これって、気づいてるのかな。
月渚の顔を見ると、そこまで気にしている素振りもなく、普通といったところだ。
ブラジャーの色って、ピンクなんだな……。
そう思うと、胸元が熱くなる。
「終わったし。大和君は購買部に行く派?」
「お、俺は……今日は行かないかも」
大和の声は震えていた。
なんせ、彼女の下着を不覚にも見てしまったからだ。
彼女は気にしている様子はないのだが、逆に申し訳ない気分になっていた。
けれど、彼女の下着を見れて、今日は色々と素晴らしい一日になりそうだと思った。
「どうしたの? さっきからキョロキョロしてない?」
「え? な、なんでもないけど……気にしないで」
大和は慌てた感じに、身振り手振りを加えながら返答する。
大和の挙動不審な態度に、彼女は不思議そうに首を傾げていた。
そのついでに、彼女は自身の服装を確認していたのだ。
「もしかして、私の下着を見てた?」
一瞬で月渚にバレてしまった。
「えっち」
月渚は頬を赤く染めながら言った。
まさか、彼女の口から、そんな言葉を聞けるとは思わず、大和は焦ったまま後ずさる。
「ねえ、私の下着そんなに見たい? そんなに興味ある感じ?」
「え? えっと、それは……」
衝撃的な発言を耳にし、大和は言葉に詰まっていた。
本当は見たいのだが、これ以上、失態を繰り返したくない。
「でも、見てたんでしょ? 私の下着。結構透けているし。私、全然気づかなかったんだけど。もしや、片付ける時から知ってた?」
「それは、さっき気づいて……でも、ごめん……」
「別に謝らなくても良いんだけどね」
月渚は口元を緩ませながら、大和の近くに歩み寄ってくる。
「そんなに見たいならさ。私の家に来る?」
そう言いながら彼女は、体操着の首元をずらし、ブラジャーの一部を見せてきたのだ。
大和は彼女からの意味深な誘いを受けた。
これ以上は禁断すぎると思うのだが、もう少し彼女と距離を縮めたかった。
だから、大和は承諾するように頷き、彼女の誘いに乗ることにしたのだ。
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