地震

@Nak1goto51

第1話

それは 突然なんの前ぶりもなく、僕の前に訪れた。方向感覚を失うほどの、強い揺れに僕は縮こまり。ただ時が経つのを待つだけだった。遠くで何か壊れる。手にしていた携帯からは、耳鳴りがするほど、大きな音が鼓膜に響き 頭がぼうっとする。こんな状況にも関わらず、どこか冷静な自分が怖かった。とにかく逃げないと、そんな声が 聞こえた気がした。慌てて 財布と 手にしていた携帯を待ち 外へ出た。その瞬間 映画の世界にでも入ったような 感覚に陥っていた 避難し逃げ惑う人々 昨日とはまるで違う 町並み 僕はただただ 走っていた 収まらない鼓動と、昨日までの自分を抱えて。

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