辛い時に書きなぐりたいことの寄せ集め
@zigokukarakonnitiwa
第1話 将来の夢「ひきこもり」
人間という生き物に絶望したのは幼稚園生の時だった。
この世の中は、醜いものに対して、醜い態度をとる。
当たり前のことだ。
醜いものであるという自覚が幼稚園生の時からすでにあったわたしは、
常に周りからの攻撃に怯えていた。幼稚園生とは思えないほど、語彙力が暴力的な男子達。醜いわたしに優しくしてくれる友達。
ある日、普段関わりのない子達のグループになぜかわたしは入っていた。
そのグループの遊びは残酷なものだった。
グループの中で、ターゲットを決めると、グループの中の誰かがその子に向かって大声でひどい言葉を叩きつける。というものだ。
わたしは心底やりたくなかったが、グループから離れて自分が言われる側に回るのが怖かった。怯えているうちに、伝令役に私が選ばれた。
私のターゲットは、奇しくも隣のロッカーの男の子だった。わたしはその子に向かっていった。ただ、みんなのように大声を張り上げて、恫喝するようなことはできなかった。聞こえるか、聞こえないかくらいの小さな声で、「きもい」と言った。
グループに戻ると、なにか言われるかと思ったが、お咎めはなぜかなかった。
しかし、隣のロッカーの男の子の反発はすごかった。きっと、大きな声を張り上げられなかった、わたしの弱さを見抜いていたのだと思う。こいつは反撃してこないと踏んだのか、ものすごい勢いの罵詈雑言をロッカーで顔を合わせるたびに吐かれた。相手の読み通り、わたしはその勢いに何も言えなかった。ただただ言われるがまま、その言葉たちを受け止めた。思わず泣いてしまい、友達に慰められていたのを思い出す。ただ、その頃から幼稚園に行きたくない。と明確に思っていたことを覚えている。わたしは、幼稚園の頃、園内の螺旋階段を転がり落ちたことがある。幸い、頭を打つなどの大した怪我はなかったが、あれは自殺未遂だったのではないかと、今では思う。
その経験を踏まえて小学校に入学したわたしは、もう人に関わらないと決心していた。人間は厄介で、愚かな生き物だとわたしは学習していた。もちろん隣のロッカーの男の子のことではなく、残酷な遊びをしていたあのグループから学んだことである。しかし、わたしは間違っていたといえる。本当に、厄介で愚かなのは自分自身だったと大人になったいま思う。ただ、わたしが言いに行かないという選択をとる勇気があればいいだけの話だったのだから。
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