第3話 公開授業の誘い
僕が、音大に進学してから、半年が経過していた。
しかし、相変わらず、僕の歌は上手くならなかった。
僕は、自分自身の歌声に失望していた。
演奏者として百点満点。しかし、歌い手としては零点。
そんな、烙印を押されていた。
僕は、一人のアーティストとして、自信を失っていた。
演奏しか能がない。
両親からも歌の才能はお前にはない。演奏に集中しろと言われていた。
そんな時、演奏科と歌唱科による公開授業が行われる事になる。
僕は歌は駄目だが、演奏はピカイチだった。そのため、お呼びがかかったのだろう。
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