国王の娘に助けられた俺は気楽に過ごしたい 〜最強がありふれた世界に転生した俺は無魔法《ノースキル》の無限魔力持ちでした〜
@hashi__yuu
プロローグ
こちらの作品見つけて頂きありがとうございます!是非最後までお楽しみください!
──────
「
「え? ちょっとまって。理由は?」
「2年半付き合って理由なんて今更ないよ。好きじゃなくなっただけ。じゃ」
「ちょ、ま、まって……」
俺は高校の時から約2年半付き合っていた彼女に振られた。それも突然。
今は大学1年の夏休み真っ只中。俺と彼女は違う大学へと進学したとは言え、2人で上京してきた。あ、今はもう元カノか。
まぁ、同居はせずお互い一人暮らしだったけどな。
「はぁ……」
ベッドで横になり大きなため息をつく。しばらくしてスマホを開き、高校時代親しかった友達に「別れた」とだけメッセージを送った。
「はぁ……そう言えば今日単位の発表だったっけ……」
俺は自分の通っている大学のホームページにログインをし、成績発表を見た。
「前期フル単……はぁ、ぜんっぜん嬉しくねぇ……」
そのままスマホをパタンっ、と枕の横に投げ、頭を抱えながら目を瞑った。
「……! やべ、寝ちまった」
急いで起き上がり、手探りでスマホを探しあて画面を開く。
ホーム画面に映る元カノの写真と共に表示された時間は21時45分であった。
5時間近く寝ていた計算だ。久しぶりにこんなに昼寝をした。いや、夕寝か? てかそんなことどうでもいい。
ぐるるる……
「腹減ったな……今日は作る気起きないしコンビニ飯でいいか」
俺は軽く着替え、鍵と財布とスマホだけ持ち家を出た。家から一番近くコンビニは歩いて3分ほどのところにある。暗い細道を使えば近道だ。
その細道に入った時、スマホからピロピロ、と着信がなる。さっき別れたと告げた友達からだった。
その文章と共に送られてきた写真を開く。そこには元カノと知らない男のツーショットが送られてきた。ほぼ全てのSNSを切られたすぐ後にこれだ。
一旦スマホを閉じる。
……あぁ。あぁ……!! なんだよこれ!! 理由なんて今更ない!? 全くふざけないで欲しいね!!!
さっきまでの悲しみが苛立ちへと変わった。いつもより長く感じるこの細道。俺は一度立ちどまる。そして考える。
……うん。うんうん。逆にプラスに考えよう。これからこれから。こんな女と別れられてよかった。そう思えることに感謝感謝だ。
考えてみれば俺はずっと彼女に気を使っていた。全然気楽になんか過ごせていなかった。
常に彼女が嫌な顔しないようにと考えながら発言をし、彼女のしたいことには全肯定。よく二年半も続いたものだ。
案外あっさり吹っ切れられた俺はスマホを開き、友達に返信をしようとした、その時だった。
「いや〜この時間の酔っぱらいは引ったくりやすくていいなぁ」
「ちょ、お前この道狭いんだから前見ろ……っておい!!!」
ぐしゃ
スマホを見ていたはずの俺は知らぬ間に天を仰いでいた。じわりじわりと感じ始める痛み。
綺麗な星はすぐに見えなくなり、視界はぐにゃぐにゃと波打ち初め、真っ暗になった。
痛い痛い痛い。声にならない痛みが身体中を走る。何が起きたのかも分からない。でも最後に聞こえた声は2人組の「やべぇって!」「逃げるぞ!」と、言った声だけだった。
☆☆☆
俺は……死んだのか?
目は開けられない。身体も動かせない。ただただ意識だけがある状態。
新しい世界への適応を始めます
ん? 新しい世界への適応? なんの事だ?
突然男性の声にも女性の声にも思える声が聞こえ、そう告げた。ただ、俺は何もすることは出来ない。
適応完了。では……始めます
なんだなんだ!? 始めるって……何をだ!? ……もしかして!
この時思った。あるのだと。本当にあるのだなと。よく見る異世界転生と言うやつが。
少し、いや、かなり期待していた。これから俺の逆転劇が始まるのだと。気楽に過ごしたい。そんな期待を胸に時を待つ。
そして───
「魔力量は莫大すぎて測定不能なのですが……
「はえ?」
「あははは! さっさと出ていけ! ここのギルドはBランク以上の冒険者ギルドだ!」
「無限魔力に
周りから響き渡る大きな笑い声。
見知らぬ場所でいきなりそう言い渡された俺の異世界生活はここから始まるのであった。
──────
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