ペットとして生きていく。~しがないカワセミの物語~

@ayuomati

第1話

とある一匹のカワセミ、スパロー。


寿命は約二年、川辺に生息。

川に飛び込み、魚を捕食して、生活する。


…ハズだった。



(あそこのお菓子屋のクッキー、美味しいんだよなぁ…)



俺は今、校舎の時計台から街を眺めている。

レンガ屋根が目を見張るほど綺麗に並ぶ、この街、俺のお気に入りスポットに仲間入り。




窓から身を乗り出した世話役のおばちゃんから、お仕事の依頼が来る。



「スパローちゃん、これ届けてきて〜!」



学校で雇われた俺は、伝書鳩のような役割を担っている。


学校では、契約書や通知書、親御さんへの手紙、その他諸々を郵送する。


鉄道が開通した今、時代遅れかもしれないが、学校での人気キャラクターとして、今や大人気である。



図書館、魔法協会、王宮。


今まで様々な所で働き、職場を転々としてきた。


そして、今日で学校での勤務も終わり。



リーン、リーン…


目的地のお家の呼び鈴を鳴らす。


「あら、通知書ね、ありがとさん」


こうして、呆気なく最後の仕事が終わった。

何事も無くて良かったんだけれども。

最後くらい、なんかこう…。まあいっか。



~~~



「スパローちゃん、今までお疲れ様」


いえいえ。滅相もございません!


「次の職場、決まったわよ」


一部の地域でだが、名を上げてきた俺、今度

はどこで働かせようと…。


「とあるご家庭のペットとして買われたわ」



………?


…はい?ペット?



言語を解せる、長寿命という異例の変異種であるスパローは、ペットとして飼われることになったのだ。















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