第33話 なんか出てきた

今日はユリナと共にダンジョンへと来ていた。


これからの予定は、ユリナを強化しながら、条件を探そう的な感じだ。


最近では、ユリナが急成長し、150階層までは単独でもぐれるくらいに強くなった。


そのうち俺も追いつかれそうだな....


俺はユリナと一緒に430階層へと来ていた。


レベル100になったことで素の状態でも結構深くまでもぐれるようになった。


しれっとスルーしていたが、【戦神】もLv2になったことで、効果時間が増えていた。


なんと効果時間3分から5分と、2分も伸びていた。


2分あるかないかでだいぶ違うからこれは嬉しいな。


そうして、430階層をぶらぶらうろつきながら魔物を殺して行くと、不意に気配を感じた。


俺はとっさにその気配がした方を向き、戦闘態勢を取った。


「ほう。我の気配に気付くことができるとは。人間にも強いものはいるんじゃのう」


そういったのは、背の小さい女の子だった。

髪はツインテールで、どこにでもいる女の子のような容姿をしていた。


しかし、その可愛らしい見た目とは裏腹に、俺とこの女の子には、覆すことのできないほどの圧倒的な実力差があった。


俺は冷や汗を垂らしながら、化け物に問う。


「お前は何者だ?」

「我か?我はかつてこの世界を恐怖に陥れた最強の魔王。

魔王イヴィルスだ。お前の名はなんというのだ?」


そう言うと、魔王イヴィルスは体に秘めていた力を開放した。


なんだこの魔力は!!!

空気がとんでもなく重くなったぞ!?


「俺はこの世界ではイスカと名乗っている」

「ほぅ。我には絶対に勝てないと言うこと理解して開き直ったか。良い根性をしている。それではイスカよ。








お前、我の弟子にならんか?」









「は?」

「もちろん。そこの小娘も一緒にみてやろう。今は我の魔力にあてられて気絶しおるが、十分に素質がある。お前たち2人とも確実に強くなれるじゃろう」

「何が目的だ?」


俺はユリナを腕に抱きながらそう言った。


こいつは何を考えているのかがわからん。

一体何を企んでいるんだ?


さっき魔王とか言ってたよな?.....もしかして


「あぁ。違うぞ?別に人間に復讐とか考えておらんからな。

ただ単にお前たちを育ててやろうと思っただけじゃ」

「何故そんなことを.....」

「暇つぶしじゃな」

「.......なるほど」


何言ってんだこいつ。


「そもそもどうやって俺たちを強くするんだ?ユリナならまだしも、俺はレベル100になったから条件を知らないとこれ以上強くなれないぞ?」

「条件なら知っておる。教えてやるから我の気が変わらぬ内に早く決めろ」


条件を知っている!?それなら話は早い。

俺の回答は......










「よろしくお願いします!師匠!」

「うむ」






こうして、最強の魔王が師匠になった。
















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