第31話 ユリナの成長
今日も、俺とユリナはダンジョンへ来ていた。
最近、毎日ダンジョンに入っているような気もするが、まぁいいか。
今日はユリナがここ数日でどのくらい強くなったのかを試すために来ていた。
「よし。じゃあ1階層からどこまで行けるかな?始め!」
ユリナは俺の声と同時に走っていった。
別にタイムアタックじゃないんだが.....
ユリナは、浅い階層では別に使わなくてもいいと考えているのか、ハンマーは背中に背負って、素手で戦っていた。
このダンジョンの浅い階層では、ゴブリンくらいしか出てこないため、ユリナはゴブリンとすれ違うと、頭を殴って破裂させていた。
元の世界だったらグロすぎて吐く人がたくさん出るんじゃないかってくらいのヤバさなのに、こっちは平然とそういうことをするから俺も慣れてしまった。
まぁそんなこんなでユリナがようやくハンマーを取り出した。
相手はワイバーンだ。
先に動いたのはユリナだった。
ハンマーを両手に持ち、ワイバーンへと迫って行く。
ワイバーンは即座に尻尾をユリナへと振るう。
ユリナはジャンプすることによって尻尾を避け、再びワイバーンへと走り出す。
ワイバーンは近づいてきたユリナを爪で殺そうとするが、ユリナがすばしっこく、とらえることができなかった。
ユリナは、ワイバーンの爪攻撃を躱すと、ワイバーンの腹の下に行き、そこからアッパースイングでハンマーを振り上げる。
「グォオオオオオオ!!!!!!!!」
ワイバーンの巨体が空を舞った。
あいつ攻撃力高すぎなんじゃね?
ワイバーンの巨体が空を舞うとか結構やばいぞ?
ユリナはワイバーンの腹の下から即座に動き、ワイバーンの真上を取った。
「落ちろ!」
ユリナは、真上から叩きつけるようにハンマーを振り下ろす。
ドカァアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!
ものすごい音が鳴り、辺りに煙が舞う。
そして煙が晴れると、腹に大きなえぐれた痕があり、息絶えているワイバーンと、その上に座っているユリナがいた。
「次行くか?」
「もちろんです!」
そして俺たちは、ドラゴンの前へと来ていた。
「......行きます!」
そう言うとユリナはドラゴンへと向かっていった。
ドラゴンはユリナを見ると、ワイバーンのときと同じく、尻尾を振るって来た。
ユリナはそれをワイバーンと同じように、ジャンプしてよけようとした。
だが、ドラゴンは尻尾を急に止め、ユリナがジャンプから着地するときに再び振るった。
ユリナはドラゴンの尻尾によって壁に叩きつけられた。
壁に叩きつけられた勢いで、煙が舞う。
そして煙が晴れたとき、そこにユリナはいなかった。
ドラゴンは、いなくなったユリナを探そうとキョロキョロしている。
すると、上から現れたユリナが、ハンマーを振り下ろす。
ワイバーンのときと同じようにはいかないものの、ドラゴンの背中をえぐった。
ドラゴンは怒ったのか、背中にいるユリナに向かってブレスを放つ。
ユリナはすぐにその場から離脱し、ドラゴンの顔の下へ潜り込む。そこから、顎をハンマーで殴る。
そんな大きすぎる隙をユリナが見逃すはずもなく、ドラゴンをタコ殴りにする。
グチャッグチャッ
と血が飛んでくるのもお構いなしにタコ殴りにする。
そしてついに、ドラゴンが息絶えた。
「殺りました!殺りましたよイスカさん!!」
「あぁ。よく頑張ったな。正直ドラゴンを倒せるとは思ってなかった」
「偶然ですよ。偶々ドラゴンが脳震盪を起こしたから倒せたんです」
「それでも倒したんだから十分すごいぞ」
ほんと、この数日間で成長しすぎだろ。
前までドラゴンを相手に逃げるしかできなかったやつがまさか倒せるようになるとは。流石にびっくりだわ。
その後、疲れたユリナを、俺が背負って宿まで帰りました。
あとがき
成長速度パネェ
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