正体がバレたくない俺vs正体を知りたい彼女たち
クククランダ
出会いとのんびり編
第1話 平和な日常
この世界に転生して17年、容姿は転生前と変わらず少し癖のある黒髪に黒い目、身長も170㎝くらいの普通の男だ。
俺は2年前に村を出て今は街で暮らしている。
今はソロの冒険者として活動しており、決して弱くはないが、かと言って注目を集める程に強い訳ではない。まぁ中堅辺りのランクだ。
冒険者は基本的にパーティを組むが、ソロの冒険者も一定数いる。
え?なんで俺がソロで活動してるかって?
だってパーティとか面倒じゃん。依頼もパーティの方針に従わないといけないし、報酬の分配も揉めたりすると聞くし、見たことがある。
だからそう言ったしがらみが嫌いな人間はソロで活動する人達が多い。
俺もその1人だ。
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今日も泊まっている宿から窓を開けて朝から元気に遊んでいる子供達を見てつぶやいた。
「今日も平和だなぁ〜」
面倒なこともなく好きな時間に起きて、好きなことをするこの生活が俺は気に入ってる。
今日も適当な依頼を受ける為に身支度をして宿の階段を降りる。
ちなみに今俺が泊まっている宿は、部屋は普通だが飯が美味い。
この宿はあまり人気は無かったが
いくつか飯のメニューを教えて、飯が美味い店として有名な店になった。
その報酬として俺はここに泊まる時に3割引きで泊まれる様になった。
どうせなら半額とかが良かったがまぁ贅沢は言わん。
「あ!お兄ちゃんだ!」
考え込んでる間に宿屋の1人娘レーナが駆け寄ってくる。
「お〜レーナは父ちゃんの手伝いか?」
「うん!そうだよ!」
レーナは俺の村の妹と同じ年の15歳でとても人懐っこい赤髪の三つ編みの女の子だ。
あと凄い元気が良い。
「おう!起きたかグレン!」
さっき俺の名前を呼んだのは店主のゴードン。
身長は2メートルくらいあり、スキンヘッドのオッサンだ。
顔も盗賊のお頭みたいな顔をしており、身長も相まってスッゲー怖い。
なんで目力だけで人を殺せそうな人からあんな優しそうな子が生まれたのか。
突然変異だろうか?
そんなことを考えながら俺はテーブルにつく。
「グレン、注文はいつものか?」
「あぁ、いつもので頼む」
俺はいつもと同じ注文をしてテーブルに着く。
俺が起きる時間はあまり人がいない。
朝と言っても昼に近いからみんなどこかに出掛けてることが多いんだよなー。
少し待っているといつもの様にレーナが寄ってきて隣に座って来て話しかけてくる。
「これからお仕事頑張ってね!」
「おう、まぁ頑張って来るわ」
俺とレーナが会話をしていると飯を作ってるゴードンさんの目がやばいことを気がつく。
それはもう確実に何人か殺ってそうな目で俺を見てくる。
==========
……ゴードンさんの目がやばすぎて今日の飯はあんまり味がしなかった気がする。
つーか生きた心地がしなかった。
そんなこんなで俺は宿屋を出て冒険者ギルドに向かって行く。
「相変わらずでけーな」
ギルドに着き、そんなことを言いながら俺は冒険者ギルドに中に入って依頼書のある掲示板に向かう。
「んー今回はこれにするか」
そして受付嬢に依頼を見せて、ギルドを出ようすると
「おぉー!グレンじゃねーか!!」
俺の名前を呼んだのはスピナー。俺と同じソロの冒険者でランクは6
灰色の短髪にワイルドな容姿、気さくな性格だから皆んなからも好かれている。
ソロでのランク6は中々見かけない。大抵はどこかのパーティに引き抜かれているからだ。
ランクは基本的に1、2が駆け出しと呼ばれており、全部で1から10まである。ランクが6もあれば相当な贅沢ができる。
基本的なランクはパーティを組んで依頼を達成した方が上がりやすい。そこをこいつは1人で6になってるからパーティを組めばランク7になれるだろうな。
俺のランク? 4ですけど? それでも俺は中堅辺りのランクだぞ?
「グレンは今から依頼か?」
「おう、今からオークの討伐だ」
俺は依頼書をスピナーに見せた。
「オークかぁ、あいつら無駄に賢いからなぁ」
スピナーは嫌そうな顔でため息をついていた。俺もそれは思う。 あいつらでかい図体でやることが小賢しいんだよなぁ。
「まぁグレンなら大丈夫だろ? 頑張れよ!」
そう言いながらスピナーは依頼書を俺に返した。俺は依頼書を受け取る時にいつも思ってる疑問をスピナーに言ってみた。
「いつも思うんだがスピナーはなんでパーティを組まないんだ?」
するとスピナーは遠い目をして•••
「あー、俺は1人の方が気楽で良いんだよな。人間関係のトラブルとかダルイし。」
なるほど。彼は過去に何かあったんだろうな。深くは聞かないでおくことにしよう。
そうして頷いていたらスピナーが話しかけてきた。
「おいグレン見てみろ。噂のパーティが来たぜ。」
そしてギルドに入ってきたパーティは女性4名だけで構成された”月の雫”と呼ばれるパーティだ。容姿も整っていて、ランクも全員が8である。
紛れもない天才の集団だ。
けれど彼女らは性格に少し難がある。
彼女らは女性には優しいが、男性には当たりが強い。
なぜかは分からないがそれはもう凄い当たりが強い。
彼女達は1ヶ月前にこの街に来たがその時から態度は変わっていない。彼女らのパーティは剣士、斥候、魔導士、僧侶のバランスが良いタイプのパーティだ。
俺の知り合いにはバランスが悪いパーティもいる。なんと3人全員が斧使い。
攻撃力に全てをかけている様なパーティだ。
ポーションなどの回復の
「ダメージを負うなら更に体を鍛える!!」って言っていた。
全員がガチムチの究極の脳筋パーティだ。
話はそれてしまったが銀髪の王子みたいな奴がアリス。金色の髪の獣人がステラ。黒髪の魔女みたいな帽子を被っているのがカーラ。眠たそうな目をしているエルフがリズだ。
俺の知り合いにもあのパーティバランスの良さを見習って欲しいものだな。
と紹介した所で俺があいつらと関わることはないだろう。第一あいつらは男が嫌いだからな。話しかけに行ってもどうせ冷たくあしらわれて終わるだけだ。
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今回が初投稿です。生暖かい目で見て下さい。
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