『鉛筆』/『暴力的ナンパ撃退法の加害者と被害者』/『変わらない散歩道』/『無能な働き者の被害者』/『「力及ばず申し訳ない」』
『鉛筆』
彼は身を削り仕事をしている。
時に心が折られ、職場を汚していた。
同僚は彼のミスをフォローしてくれるが、そのせいで同僚もくたびれ汚れている。
彼は同僚の汚れを見るたび、フォローを押し付ける自分は同僚から嫌われていると思っていた。
その上、新人達との性能差を見せつけられ、これからは自分の仕事が減るとわかった。
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『暴力的ナンパ撃退法の加害者と被害者』
女は紹介された男と目が合った。
すぐにこの男があの時声をかけてきた1人と気づき、思わず拳に力が入る。
他の男は覚えてないが、この男の顔は覚えていた。
遅れて男も女に気づく。
女の握られた拳に恐怖が蘇り、表情を怯えで歪ませる。
そして、互いの親は子供の変化に気づかず、顔合わせを終えた。
もうすぐ女と男は義姉弟になる。
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『変わらない散歩道』
男は惰性で続ける散歩中、防護柵に結ばれた袋を見つける。
袋を確認すると、何も入っていない。
しかし男は、この袋が気になり、落ちていたペットボトルを入れた。
翌日確認すると、袋に入っていたのは、新品のペットボトル。
それから散歩の度に、期待して様々な物を袋に入れた。
数日後。
男は愛犬の遺骨を手に、確信を持って散歩へ向かう。
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『無能な働き者の被害者』
男は同僚の様子を見に、病院へ来ていた。
男の職場は常に多忙で、空き時間を作るのにとても苦労した。
だがどうしても、男は同僚の様子を確認したかった。
男がたどり着いた病室には、怪我をしていても職場復帰に意欲的な同僚。
疲れ切っている男は、同僚を再び背後から、殴り倒すことにした。
「この状況が一番助かる」
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『「力及ばず申し訳ない」』
「及ばずおじさん」という都市伝説がある。
困っているとおじさんが現れて「及ばずながら力になります」と助けてくれる。
しかし、「及ばずおじさん」の力で問題が解決できないと、おじさんに見捨てられ、神隠しに合うらしい。
私は今、女子トイレの個室で紙がなく困っていた。
トイレの外からおじさんの声が聞こえる。
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