『半年で滅亡』/『前任者は300年努めた』/『花瓶を持ったミイラ』/『浮気者の末路』/『頭がよく舌の肥えた友人』


『半年で滅亡』


 古代予言が解読された。


『黒髪の王族により王家滅亡』


 王家は予言の内容を重く受け止め、王族に黒髪の赤子が産まれた場合、命を摘むと決めた。


 予言解読から数十年。

 王族に黒髪の赤子は生まれなかった。


 しかし、年々国力を落とした王家は、遠方の大国と縁を結ぶ為

 王族同士の婚姻を決めた。


 大国から、黒髪の王女が嫁いでくる。



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『前任者は300年努めた』


 男は『復讐の遺跡』にたどり着いた。

 この遺跡は、最奥に至ると復讐を完遂できると伝承が残っている。


 遺跡に侵入すると、半透明な番人が現れた。

 番人は男に近づき、触れようとするが男の体をすり抜ける。

 男は番人を無視して、遺跡の奥へと立入った。


『復讐の遺跡』は復讐を遂げた魂を、常に一人だけ、番人として囚えている。



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『花瓶を持ったミイラ』


 私は雑貨屋で美しい花瓶を見つけた。

 不気味な店主曰く『バラ以外を挿してはいけない花瓶』らしい。

 美しさに惹かれ、この花瓶を購入した。


 自室に飾った花からバラを花瓶に挿すと、問題なく飾れた。

 好奇心に負け、別の花も花瓶に挿してみる。

 するとその花は枯れ落ち、花瓶にはバラだけが残った。


 私は気になり、花瓶に指を入れた。



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『浮気者の末路』


 男は昔から危険な目に合う直前、悪臭を感じていた。

 食べ物の腐ったような、気分が悪くなる悪臭。

 嗅覚を頼りに悪臭を避けると、対人トラブルも乗り越えることができた。


 しかし今、男は恋人に追い詰められている。

 正面に座る恋人は微笑みを浮かべているが、恋人の手料理からは、憎悪を煮詰めたような悪臭が漂ってきていた。



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『頭がよく舌の肥えた友人』


 男は友人に食事を振る舞いながら、なにか大会を開催して優勝したいと相談していた。

 騎士団の入団試験で、実績として大会優勝をアピールしたいようだ。

 友人は食事を取りながら考え、男に助言を伝えた。


 男は助言を参考に、大会を開催。

 そして苦難の末、優勝を勝ち取った。

 その結果、男は無事、騎士団に入団。


 調理当番として。

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