第24話 ブレイク


 家に帰る。

 黒木は人間じゃなくなっていた。

 理由はわからないが魔王のスキル玉を使ったようだ。聖属性攻撃が効かずしかも回復のエキスパート首を斬っても死なないなんてとんでもない化け物だよ。

 なんとか弱体化させるスキル玉を作ってやる。

 さっきのズズンッはなんだったんだ?

“ヴヴッ”

「はい」

「工藤だが今何処だ?」

「いま聖女だった子の家にいますが」

「すぐに皇居まで行ってくれ」

「まさか!」

「そのまさかだよ」

「了解」

 電話を切るとすぐに向かう。千代田区かよ!とりあえず神速で走って向かう。

 

 到着するともうモンスターが出てきている途中だ! 

『神速一閃!』

 とりあえずは出てきているモンスターをどうにかしないと!じゃまだ人間どけぇ!!

「課長!」

「四ツ谷に南原!いそげ!周りのモンスターを駆逐するぞ」

「「はい」」

「俺はゲートに行くからここは任せた!」

「「はい」」

「死ぬなよ!」

 俺は神速でモンスターを斬り捨てながら進みゲートについたらちょうどサイクロプスが出てこようとしていた。

『疾風迅雷』

 中に追い込んで倒すとそこからは時間を忘れて駆け回りすべてのゲートに向かうモンスターをその場から消し去る。

「課長!」

「なんだ!」

「南原が」

「今行く」

 一度外に出て南原の方に向かう。

 レッドドラゴンにやられたか!まだ生きてるな『フルケア』!

「か、課長」

「しばらく安静にしていろ!」

 レッドドラゴンに神速で近づき『疾風迅雷』をかますと消滅するレッドドラゴン。

「よし次!…これで終わりか?」

「はい!外はあいつで最後でした」

「よくやったお前たち!晩飯奢ってやる」

「「はい」」

「ゲートの中もある程度片付いたしな」

あとは怪我をしている人が何人いるかだがみんな自衛隊員が連れて行ってくれたかな?

「ちょっと待ってろゲートをもう一度見てくるから」

「僕らも行きます!」

「…じゃあ一緒に行こう!」

 ゲートに戻るとまだ出てこようと足掻いてる奴らがいるな、さっさと倒して飯でも食いに行くか!

「いくぞ!」

「「はい!」」

 粗方片付け終わりとりあえずドロップを収納して行く。スキル玉も沢山出ているな。

「ほら南原」

「え!金のスキル玉ですか?」

「回復魔法だ、持たせてなくてすまない」

「はい!」

「あ!ずるいです!私も何かくださいよ!」

「ほれ!」

「なんですかこれ?」

「一緒だ。回復魔法のスキル玉」

「私は誰かさんみたいなヘマはしませんよ?」

「おい!誰かさんって俺のことだろ!」

「きゃー!犯されるー!助けて課長!」

 俺の後ろに隠れる四ツ谷。

「あはは、仲良いな」

「えー、私は課長みたいなのがいいです」

「お、俺だってごめんだよ!」

「あ、助けにいったのに!ありがとうくらい言えないかなぁ」

「ありがとよ!課長もありがとうございます」

 俺に頭を下げる南原、

「部下を見殺しにはできないからな」

 よし外に出るぞ、

 自衛隊がブルーシートで覆ってるところだった。

「ご苦労様です」

「ご苦労様」

“ヴヴッ”

「はい!」

「知念君ありがとう収まったみたいだね」

「まぁ、なんとかですね、ここは消すんですよね?」

「あぁ、流石に皇居前だからな」

「分かりました明日からになると思いますが」

「分かったよろしく頼むよ。こちらもバッチリモンスターが映ってしまったからこれ以上はかくせないから少し早いがギルド設立を発表することにしたよ」

「そうですか、いよいよですね」

「あぁ、部下たちも頑張っていたようだな」

「いまから飯でも食って帰るとこですよ」

「そうか、こっちにつけるといい、領収書を貰ってきてくれ」

「はい!ありがとうございます」

「それじゃあな」

 と電話を切ると、

「今日は会社持ちだから何が食いたい?」

「マジっすか?肉食いましょうよ!」

「やった!焼き肉行きましょう」

「あはは、じゃあ行こうか」

  

 焼肉屋では豪勢な食事を楽しんだ。

 二人とも今日はお疲れ様だな。

「わ!私のを取るな!」

「早い者勝ちだろ?」

「このやろう!」

「ほらこっちが焼けてるぞ」

「よし!食べるぞぉ」

「うめぇ」

「仕事の後に焼き肉とか神ですよね」

「あはは、会長がいいって言ったんだからいいだろ」

「会長神だわ」

「美味え」

「うめえしか言えんのか!」

 仲が良くて何よりだな。

「明日は休みだ。今日のはちゃんと残業つくからな」

「やった!」

「ラッキー!っていうかマジっすか」

「あれだけの働きをしたんだからちゃんと休み取れよ?」

「「はい」」


 次の日は俺は出勤だ。

 とりあえず皇居をどうにかしないとな。

「ご苦労様です」

「ご苦労様です、どうですか?何か変わったことは?」

 なにももんだいがなければいいが、

「特にありません!」

「分かりました」

 俺は防具をつけて剣を腰に刺すと準備万端だ。

 さて潜るかな!

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