第15話 ダーンジョン
「本当に使えるなんてな」
「えへへ、それだけじゃないんだよ?」
ルナはバッグから弓を取り出して見せる。
「なっそれは手品か何かか?」
「これはマジックバッグなの!ここにはいっぱいものが詰まってるんだから」
「これとこれと」
とヨミが机に出して行く。
「なっ!ルナ、ヨミどっちでもいいからパパにくれないか?」
「「ダメー」」
「あ、ではこれはいかがですか?」
もうヨミは自分のバッグに全部入れていたのでマジックバッグを出して行く。
「な?これ全部がマジックバッグなのか?」
「はい、趣味でつくってしまったのでおひとつどうぞ」
「こ、これをもらおう!」
と白いクラッチバッグを手にして中を確かめている。じゃあと他を片付け用としたら待ったが入る。
「私に売ってくれないか?」
「えぇ、別にいいですけど」
「じゃあこれとこれとこれと」
と六つのマジックバッグを取って行った。
「おい!」
「はい!」
「知念君の口座に六百億振り込んどいてくれ」
「かしこまりました」
「えぇ!そんなにですか?」
「これはそれだけの価値がある!しかも革も上等なものを使用しているみたいだしな」
「はい、まぁ」
「それとあの土地を買うしかないか!」
「ダンジョンの土地をですか?」
「あぁ、今後先をいくためにも必要なことだろう」
「まぁ、そうですね」
「それでだ?あそこの調査をしてきてくれないか?」
「あ、じゃああたしも!」
「ニンニン」
「お前たちはダメだ」
「なぜ?」
「これは大人でしっかりした人間、しかも帰ってきた9人の中で知念君が一番適任なんだよ」
「分かりました、10階層ほどでいいですか?」
「な、何階層もあるんだな」
「僕達が言ってたところが50階層でしたからね」
「わかった、そこは任せる」
「はい!」
「それじゃあ行こうか!」
と他のマジックバッグをクラッチバッグに入れてしまい、そのクラッチバッグのみで動く工藤さん、よっぽど気に入ったんだな。
「じゃあまたねヨミにルナ!」
「あ、クオン、あのねスキルが変わったの!
ショップスキルがこっちのお金じゃなくなってあっちの金貨になったの」
「よかったのか?まぁ、金貨はたんまり持ってるからな、またいるときに言ってくれ」
「分かりました」
「はい。また」
「またね!」
ヨミを膝から下ろして工藤さんについて行く。
車に乗り込むとどこかに連絡を取る工藤さん。俺は久しぶりに上着を脱いで防具をつける。
「それが防具か、剣を見せてくれ」
「はい」
最後に買ったミスリルソードだ。
「す、凄い剣だな」
「はい、結構したんですよ」
「なんの剣なんだ?」
「ミスリルソードです」
「ミスリル?そんな素材はあるのか?」
「はい、ここにインゴットがあります」
と言って渡すと剣と交換で受け取る。
「これがミスリル…」
「あとは魔石というものが取れると思いますがこれが一番でかい魔石になります」
「ま、魔石?」
「多分エネルギー源だと思われます」
ボーリングの玉よりも大きいサイズの魔石だ。淡い光を放っている。
「少し借りといてもいいかな?」
「はいどうぞ」
そうして着いたのは学校にある塔の前だ。
工藤さんに着いて行くと中に入ることができた。
「うわああぁぁ」
と逃げ帰ってくる自衛隊員。
怪我をしているようなのでヒールを使い治してあげる。
「知念君これは?」
「あぁ、これに触るとスキルか職業がもらえると思いますよ」
「触っても大丈夫なんだな」
「はい」
工藤さんが触ると、
「ぎ、技術者とでたぞ?」
「ステータスで見れると思いますが」
「ステータスオープン!」
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レベル1 職業 技術者
スキル 分解 加工 仕上げ 試験 実験
ユニーク 技術
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おぉ!当たりじゃないかな?
「やった!これは当たりだろう?」
「そうですね!これだけスキルもありますし」
「おい、お前も触ってみろ」
「はい」
と秘書にも触らせると、
「あ、私は水魔法と出ました」
「そうか、スキルのみか」
「はい!」
「まぁいいだろう!それでは知念君、よろしく頼むよ」
「はい!」
一応俺も触っておく。
『一文字変換がVer.2になりました』
バージョン2?まぁ、とりあえず行くか!
1階層から10階層までは簡単に行けたがやはりダンジョンだなぁ。
10階層を出ると皆がこちらを見ていたが、
「とりあえずダンジョンで間違いないです。あと銃火器は効かないのでえーっと、とりあえず鉄の剣と棍棒を置いていきますね」
「おお!助かる、おい、これで戦えるそうだぞ!」
自衛隊員の人がそれを掴んで中に入って行く。
「お疲れ様、で?何か取れたかね?」
「ここで出してもいいですか?」
「あぁ、こちらで出してもらおうか」
と、自衛隊が作ったテントの中で出していく。
「とこれが10階層で出たスキル玉の青ですね」
『疾走』と言うスキルだった。
「これはどう言う?」
「スキルが取れます。レアリティがあって…」
説明をして開けてもらうと、自衛官に疾走が身についたみたいで走る速さが違うのでびっくりしていた。
「これがスキルか」
と嬉しそうであった。
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