短歌 お題「一杯」

駿才を駆られ首魁に賜るは寒の終わりに一杯の毒


しゅんさいを かられしゅかいに たまわるは

かんのおわりに いっぱいのどく


 韓非かんぴは韓の公子こうしなるもその才によって秦の嬴政えいせい(後の始皇帝)に取り立てられる。しかしながらその才能が故、嬴政の不信や友人の李斯りしの妬みを避けることはできず、結局はどちらかに無実の罪を着せられ死を命じられてしまう。服毒による自死の強要であったそうで、その一杯に祖国である韓の未来と自らの人生を閉ざされるという非業を遂げるのであった。


公子 王の子。側室の子らしく、韓の王である父からは重用されなかった。

駆られ 嬴政の不信または李斯の焦燥。

首魁 嬴政または李斯。どちらであるかは諸説あるのでどちらにでも意味が通じるように。

寒の終わり 冬の終わり、監(獄)での終わり、そして韓の国の終わりをかけている。



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