魔王様になっちゃった!

焼畑営業

魔王 サルティヌス・ルド・ゼブライル

第1話 魔王様になっちゃった!

 じりりりりりりりりりりりり!


「んあ?ああ、そろそろ起きるか~」


 そうすると、私はくるまれた毛布から腕を一本出し、不快な音声を停止する。

 そしてそのまま毛布に包まれた状態で二足歩行を試み、無事転倒。

 転倒の衝撃でベッドから転げ落ち、体が凍えそうなほど冷たい空気を一身に受ける。

 

 そうして私こと平川(ひらかわ)灯(あかり)は、最悪の目覚めを迎えた。


「あ~最悪。て、やば~。もう10時じゃん。大学の講義1限飛んでるし。」


 少し開いた瞼から、今の時刻を読み取り現状を悟る。

 しかし私は慌てたりなどしない。

 なぜなら…


「ま、いっか。だるかったら今日一日休も~。」


 なぜなら、自他共に認めるクズだからである!

 昨日は推しのVtuberが深夜配信してたからね。寝坊も仕方ない仕方ない。

 

 けど、アラーム8時にしてたんだけどな~。

 夢の中の私はスヌーズしまくってたらしい。


 ほいじゃあ、顔洗って活動開始しますか~。

 そう思い立って洗面所に歩みを進め、鏡でいつも通り自分の可愛い顔を見る。


「は?」


 脳が数刻、理解を拒む。

 だってそこには、ねじれた角。藍色の毛髪と眼球。鋭い犬歯。

 悪魔っ娘のような私の顔がそこに映し出されているのだから。


「な、ななななな、なんじゃこりゃ~~~~~!!!!!?????」


 こうして、自堕落生活を送る私と魔物たちによる奇妙な日常が始まった。

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