第30話 変わること変わらないこと/ネコ?先生

 前回に続きましてご参加ありがとうございます。といいますか、この企画を始めることができたのは豆ははこさんとネコ?さんがいたからです。まったくの素人が企画を完遂できたのはこの二人のおかげなのです。ありがとうございます。ですが、わたしは女ですのでアニキではありません。誰がネカマじゃ!(笑)


変わること変わらないこと

https://kakuyomu.jp/works/16818093072992334190


俳句


生きるとは流転すること波の花


 簡単に言うと物事はとまってはいないというのが流転の意味です。おそらく大抵の人にとって、鉄はそのままおいておけば同じ形のままだと思われるでしょうが、天気の範囲での温度によってすら伸び縮みします。今は別の技術があるのですが、鋳物などは「枯らし」といいまして、数年かけて放置して歪むだけ歪ませておいてから加工します。(そうすると歪みがほとんどない製品が作れるのです)。物事に静止という状態は(ほとんど)ないということですね。生きることもまたしかり。



ゆく夏やタノシカッタネサヨウナラ


 カタカナであることに何となく他人事のような、夏が過ぎることを信じたくないような気持ちを感じます。


 恋愛において「次いこ! 次!」と量を知っている人間のセリフにも聞こえるわけですが、おそらくきっとネコ?パイセンはプレイボーイなので、「女なんてまた捕まればいいさ」という気分でいるのだと推察されます。ええ、きっとそうなのでしょう(笑)。



秋晴の川辺に父の訃を聞けり


 星となられたご尊父についての句で、「星」でもあり「転」でもある句になっております。実際にはネコ?さんもその場にいることができたそうですので、お父様も安心して星へと還っていかれたのではないでしょうか。

 わたし自身は老後はホームレスでも別にいいかと思っているので、とにかく子供たちに迷惑をかけないようにだけしたいと思っている今日この頃です。



生きるとは流転すること春の鳥


 生命もまた流転をする。この句を〆とするのがネコ?さんらしく非常に好感が持てました。最初の「生きるとは流転すること波の花」はどこか他動的といいますか、本当にあるがままで自分ではどうすることもできないというニュアンスの流転を感じましたが、この句には生きる喜びと滅した後にも後続がいるのだという安心感といいますか安らぎを感じます。春の鳥(子孫)は冬の鳥(先祖)がいたから存在できるのであり、生命の歴史というスケールにおいて、淡々とそれでいながら美しく流転していくのでしょう。わたしたちはそんな長大なドラマに身を任せて生きていく小さな存在だと、この句は語っているように思えます。


 いつもながら上手で情感溢れる作品たちでした。わたしの中の人(竹野内豊)も、ニッコリしながら拝見させていただきましたよ! ありがとうございました。

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