心の窓

阿部 四郎

第2話 失敗するという事

職場のAさんを見ていると、よく私の過去を思い出します。


建設現場の朝礼などではよく拳を突き上げて掛け声をかける場面がある。


シュプレヒコール『エイエイオー』だ。


ある日、Aさんに掛け声の掛け手が回ってきた。


『今日も元気に頑張ろう。』


自信がないのか、性格なのかよくわからないけどなんだかハッキリしないのだ。


なぜだろうと振り返ると自分もそうだったし、今も自信持てない自分がいる。


私は自信がなかった。


Aさんをみてどうしてそう思ったかというと、カタチもハッキリしていない。


構えの手はグーなのか?人差し指をのばすのか?極めて曖昧でカタチもフニャフニャと変わっていく。


以前の私も同じだった。


しかし、今落ち着いて考えてみるとハッキリしたほうが良く見えるようになると考えが随分変わった。


『失敗』と言う言葉さえもいらないかもしれない。


大切なのは良くあり続ける事。


間違ったり、失敗したって、堂々と行なったほうがわかりやすいのではないか。


中途半端に取り組んだ仕事の結果なんてなんの参考にもならない。


決めた事を決めたとおりに向き合って、結果が出たら、ブラッシュアップしていけばそれでいいのだ。


結果的に身につく、身につかないは別の話で自分の自己実現に生かせばいいだけの話。


やめた、今日やめた。


『失敗』という言葉。


もう、遠分?使わない事にする。

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