104 キス

 初恋のキスは甘酸っぱい味がするなんて嘘だ。あれはただの人間の体液以上の何物でもない。ただサイダーを飲み干した後の君の舌は冷たくて、少しだけ甘かったような気もする。弾けた泡のように唇を貪る僕と、しっとりと透明に僕を受け入れた君。ただの人間なのに、君は美しい。

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