103 優しさ

 優しさの半分を売っていた。初日は飛ぶように売れていたが、次の日からは客足はまばらになった。結局優しさ屋は半年経たずに店を畳むことになった。閉店セールで繁盛していたそこではじめて「優しさ」を買ってみた。まさしく半分の優しさがそこにあった。

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