56 表情

「冗談は顔だけにしてよ」


 僕が笑うと彼女の表情が消えた。


「それでは全て真実を話すと私が貴方に好意を寄せているのも嘘。そもそも私は殺人事件で家族を全て失って廃人のようになったあなたのために作られた夢の存在。さようなら」


 目が覚めると枕元には彼女の笑顔の写真があった。

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