55 暗殺者

 愛を知らない暗殺者は非情な仕事をこなすプロだった。ある日彼は柔和な紳士に出会う。素敵な笑顔はさぞ愛に満ちた生活をしているのだろうと彼は思った。途端に鋭い痛みが胸を走る。


「同業、ですか?」

「あぁ、昔お前に家族を殺された者さ」


 愛を知る暗殺者は常に笑みを絶やさなかった。

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