迷惑という名の不思議な方々

saito sekai

1話完結

私は、4月から営業課に配属された。飛び込みなので、一期一会を楽しむ感覚で、頑張っていた。

今日も、どんなお客様に会えるのだろうか…不安半分、期待半分…

私は一軒の家に目を付けた。「よし、この家にしよう」呼び鈴を鳴らす。

そうすると感じの良いおじいさんが出てきた。

「すいません、突然失礼します。台所用品の宣伝させて頂きませんが?」

すると、その老人は「ああ、どうぞどうぞ、上がってお茶でも」なんていってくれるじゃないの!

これは好感触、いけるかも…内心ワクワクしてきた。

応接間に通された私。その老人は「今お湯沸かしているから、ちょっと待っててね」と言って、

台所に引っ込んだ。

(台所と来たか、ますます話しやすい)

応接間のソファーに座った私は、テーブルに一冊の日記帳を見つけた。

それを良くみると、なんと昔、母親が付けていたものだったのだ!

驚く私に、気がついた老人は一言。

「ああ、それずっと借りてました」

私は言葉を失った。沈黙が続いた…母とどういう関係ですか?その一言が言えない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

迷惑という名の不思議な方々 saito sekai @saitosekai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ