二十四章 六点リーダー

〔後の先:疑問〕

 成海は打ちあげの途中で、有明単探社を抜け出していた。公園のちかくで時間を潰していた。いったい、だれを待っているのだろうか?

〔間四件の一:観察文〕

 成海は葵に告白するつもりだった。断れるかもしれない。緊張の真っ只中にいた。現実逃避するように、けさの電話を思い出していた。沼田からの事後報告だった。

〔間四件の二:移動文〕

 成海におくれて、葵が到着した。ふたりは有明第三小学校を見る約束をしていた。ビッグサイト方面へと歩きはじめた。

〔間四件の三:観察文〕

 成海たちはビッグサイト東側の庭園で、足をとめた。葵は緊張気味に話しはじめた。成海はそんな葵を見て、恋愛感情を強めた。

〔間四件の四:観察文〕

 成海は葵のことばを遮って、愛の告白をした。葵は驚きを隠せなかったが、やがて、申し出を受けいれた。

〔先の後:新事実〕

 最後に、工藤葵は小学校三年生のころの真意を語った。葵が水槽内の水を交換したのは、メダカのためではなかった。その週の飼育係だった成海と話すためだった。葵はずっと、成海が好きだったことを伝える。ふたりの恋愛の結実をもって、カサイ袋の最愛は終わる。

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