マジカル向いてへん!神様は世界の修正にとりかかる?

ろみみん

私の日常の急変

第1話 ありえへん

目の前に、まさに『ありえへん』光景が広がっていた。


学校から帰る途中だったけど、ちょっと寄り道して近所の河川敷でコンビニで買ったコーヒーを飲みながら、タバコで一服していた。


ボケっとしていたら、目の前を一台の自転車が結構な勢いで下っていき、そのまま止まらず川に突っ込んだ、と思ったその瞬間、時が止まった。


流れのあった川が形を保ったまま静止している。心地よかった風の音も聞こえない。周りにいた人達も皆止まっている。


ドキドキした、夢でも見ているかのようだ。

頭であれこれ考えているその時間はきっと数秒程度。


??「おぉ~!セーフセーフ!川にドボンするところだったよぉ~。」


さっき自転車に跨っていた女が喋った。

でもまだ周りの時は止まっている。


女「え・・・えぇ⁉ちょっとあんたなんで動いてんの⁉」


女が私に向かって叫んでいる。そう、反射的に私は立ち上がっていた。


「なんでって…え?いやこっちが説明してって感じなんやけど!なんなんこれ?あ、あんたがやったん?」


頭の思考回路がやっと追いついてきて、取り合えず話せるようになった。


「説明してや!私もやけど、なんであんたは動けるん?これなに!?」


女「いやぁ~、まぁ一言で言うと、ま・ほ・う!ってやつよ!自転車に乗ったことが無くてぇ、ちょっと乗ってみようかなってノリで乗ったのはいいけど、ブレーキの掛け方が分かんなくて!」


そういいながら呑気にヘラヘラ笑っていた。魔法?いやいや、現実的にあり得ない。だけどこの状況は・・・。


「意味わからん!警察に言うで!え、警察でええんかこれ?・・・とにかく、そこ動くな!」


女「えぇ、警察にこの状況言っても絶対無理だよ!落ち着いて、説明させて!取り合えず時間動かすからさ!」


「え、あ、ちょっと!」


私は止めようとした。なぜなら彼女はさっきからずっと川の上のまま喋っていたからだ。だけどもう遅い、凄い音を立てながら自転車ごと川に落ちてしまった。


「私止めようとしたし!あほやなぁ。」


私は彼女の元まで駆け寄って手を伸ばした。

周りは、ずぶ濡れの女の子を見て不思議そうにはしているが、それ以外は何事もなかったかのように日常に戻っていた。


「で?あんたナニモン?」


私は彼女の手を取りながら言った。









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