ワールドギア

鈴牙

第1話 始まりの種

 酷い雨が降り続く中、俺たちは世界樹の種子と呼ばれる小さな種を探していた。生命の種とも呼ばれるその小さな種は、この世界を管理する者を生み出す大切な種・・・のはずだが!


 氷帝ヒョウテイ「バカヤロ!探せー!うっかり大切な種を落とすとか何やってんだ!」

 火卯我ヒュウガ「しょうがないだろが。、雨が止むまで待とうと言ったんだぞ?お前が(急ぐぞ)とか言ったんじゃねーか!」

 氷帝ヒョウテイ「当たり前だ!奴に追いつかれたらどうする気だ!」

 火卯我ヒュウガ「ネコ科は水苦手だから追ってこないよぉ~」

 氷帝ヒョウテイ「バカか俺もネコ科だぞ、苦手なのはお前だろうが」

 火卯我ヒュウガ「うるさい!バカバカ言うな!」

 氷帝ヒョウテイ「だったら黙って、真面目に探せー!」

 火卯我ヒュウガ「気を逸らしてきたのはお前だろうが」

 氷帝ヒョウテイ「うるさい!いいから早く探せ、追いつかれるぞ」

 火卯我ヒュウガ「ハイハイ、探しますよ探せばいんだろったく(お前が運べっつーの ボソッ」

 氷帝ヒョウテイ「何か言ったか?」

 火卯我ヒュウガ「別に?」


雨のせいで視界が悪く、毛が濡れて体が重い。そんな中探し続ける俺たち。あたりが暗くなり始めてきて、いよいよ見つけるのが困難になってきたそんな時に「うわぁぁぁぁ!」っと火卯我が声をあげる。慌てて振り向くと、彼は、地面に転がっていた、どうやら、ぬかるんだ地面に足を滑らせたようだ。俺が「遊ぶな!」と注意しようとしたら「あぁぁぁぁぁ、あったぞー!」と叫びだした。どうやら運よく転んだ目の前に種が落ちていたようだ。

俺は種の近くまで行き「今度は俺が運ぶ。」と言った。火卯我は「最初からそうしろ」とぼやいているが、聞かないふりをして先に進んだ。

それから2週間、俺たちはようやく世界樹のもとまでかえって来た。仲間の裏切りにより、持ち出された世界樹の種子は取り返したが、四獣王は俺とユグドラのみ。すでに年老いてもう戦えないユグドラと左目を失った俺。

戦力は自分とひたすら戦いから逃げる火卯我。これじゃダメだ!これから生まれてくる世界樹の子を守れない!そう思った俺は、火卯我と共に守護者を建ち上げる。これがすべての始まりであった。

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