宇宙戦士スペースVと大阪日本橋

MrR

出会い

 Side あい


 =とある惑星・都市部=

  

 ザターンの兵士達と激しい戦いを繰り広げている五人の美女たち。


 地球で言うところの戦隊ヒーローのような背格好をしている。

 それぞれ武器を持ち、あいはパラボラアンテナがついた破壊力がある銃だった。

 時には剣や銃を使い、ザターンの兵士を倒していく。


 全員フルフェイスのヘルメットを被っていて、レオタード柄の全身スーツを身に纏い、赤、青、黄、ピンク、緑の五種類に分れており、全員が爆乳で激しいアクションを行うたびに胸が別の生き物のように激しく揺れる。


 彼達は宇宙戦士スペースV。


 ザターンの侵略に対して立ち上がった5人の勇者たちでもある。


 そんな中、仲間に後押しされる形で一人だけ専用マシン・ピンクジェットで地球に向かうスペースVの一人、スペースピンク、あい。

  

 髪の毛は長いピンク色。

 凛々しく整った顔立ちが特徴。

 スペースVの全員がそうであるように彼女も爆乳で日本のグラビアアイドル顔負けの魅力的な体つきの持ち主である。

 そんな体だからか異性が苦手だったりした。


(地球に行って守らなきゃ――)


 ピンクは一人、地球へと向かう。

 地球を救うためにだ。



 =地球近辺の宇宙空間=


(ここまで来て!!)


 地球に近い宙域。

 そこでピンク専用マシン、ピンクジェットとザターンのマシーンとが激しい戦闘を繰り広げていた。

 

 それも敵の銀色の円盤型移動要塞付きでだ。

 数もそれ相応。

 多勢に無勢。

 ザターンの円盤型戦闘機に付け回されるピンク。

 

(どうにかしてここを切り抜けなくちゃ!!)


 と、決意を新たにあいは操縦桿を握りしめる手を強める。

 


 Side 宝田 しおり


 =休日・昼・大阪日本橋・メイド喫茶ストレンジ=  

  

 地球は狙われているらしい。


 現在地球は宇宙空間で起きたSF映画さながらの宇宙戦でどこもかしこもパニックだ。

 まるで自国に巨大怪獣が攻めて来たかのような騒動である。

 

(今はそんな事よりもこの人をどうしようか……)


 それはそうと—―茶色いツインテールにカジュアルな格好に身を包んだ少女、宝田 しおりは今、肩車している戦隊ピンクの恰好をした美女を何処に運ぶか悩んだ。

 長いピンクの髪の毛、可愛らしく整った顔立ち、そして爆乳。


(どう見てもヒーロー側よね? 私、悪くない!)


 見た事もない、ちょっとオモチャ的な外観の戦闘機に大阪日本橋からちょっと離れた公園に不時着した。

 中には戦隊ピンクのお姉さんがいた。


(こう言うワケの分からない状況の時はあのメイド喫茶に限る!)

 

 何が何だか分からないが、取り合えずしおりは、こう言う時の異常事態の駆け込み寺、メイド喫茶ストレンジに向かった。


「――あの、助けて貰ったのはいいんだけど、何処に向かってるの?」


「ただでさえワケの分からない状況だから、とりあえず一息付ける場所!!」


 戦隊ピンクにしおりはそう返した。



 =休日・昼・メイド喫茶ストレンジ店内=


 長い紫髪の小学生ぐらいの綺麗な幼女。

 メイド喫茶ストレンジの女店主、ヘレン・P・レイヤーに「待っていたわよ。大体の事情は把握してるから好きに使いなさい」と不自然なぐらいに話が早くて二人は店内に案内された。

 

 そこで戦隊ピンク、あいはツインテールの不愛想なメイド服の少女、黒井 リンカの手当てを受ける。


(それはそうと変わった格好してるわね――)


 あいの衣服をじっと見る。

 

 今のあいの衣装はSF物に出て来る桃色の全身タイツ型の衣装だ。

 ちょっとレトロ感が感じるSFスーツとも言える。

 

 さっきまでは変身ピンクの衣装だったが、スペースチェンジャーと言われるブレスレットに格納したらしい。


(何かのトリック? だけど、いちコスプレイヤーに墜落した飛行機のセットまで用意できる?)


 では、いわゆるドッキリと言う日本のテレビ番組であったらしい奴なのかとも考えたが、どう見ても怪我が生々しい。


 段々と本物の変身ヒロイン、戦隊ヒロインと言う事実が現実味を帯びて来る。

 

(どうしよう!? もしかして未知との遭遇!? 宇宙人!? まさかの戦隊ヒロインで変身ヒロイン!?)


 などと、しおりは妄想を膨らませる。


「よく聞いてください」


「あ、はい」


 あいにそう切り出され、しおりは姿勢をピシッとさせる。

 介抱している黒井 リンカは黙々と作業を続行していた。


「この星は狙われています」

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