はっこうちゃんの光

トマトも柄

    はっこうちゃんの光

 とある森でとても光り輝く森があると言われています。

 そこはとっても光り輝いており、その森は優しい光に包まれていました。

 けれど、一部分だけ光が出ていない所があります。

 優しい光とは対照的にそこは冷たい闇になっていました。

 その闇の中で小さなたまが動いていました。

 球はふらふらと動いており、元気がなさそうです。

 周りの球はみんな優しい光に輝いているのに、その球だけ冷たく暗いままでした。

 周りの球は心配そうに光を当てながらその光ってない球に近づいて行きます。

 その球は優しい光に包まれていますが、ふらふらして暗いままです。

 まるで元気がないようです。

 周りは元気を出させて光を出させようとしていますが、なかなか元気を出してくれません。

 光らない球は周りの光から遠ざけるようにふらふらとその場を後にします。

 そして暗闇の中をさまようように通り過ぎていきます。

 さっきまでふらふらと飛んでいた高度がどんどん落ちていき、最後には地面について動かなくなっていました。

 そこには光がまったく無くて、暗闇の中ひっそりしています。

 そこからまったく動かなくなり、時が過ぎるのを待とうとしています。

 遠くの方で光っている球がせわしなく動いており、探しているのが見て分かります。

 ただ、それでも動かないでいました。

 まるで探さないでくれ、見つけないでくれと言っているかのように静かにしております。

 見つからないように隠れていると、そこには元気のなくなっている草木がいました。

 光を浴びていないのか、草も折れ曲がっていて草は地面に垂れています。

 球はそれに気付いたのか、その草木に近づいて行きます。

 近づいてもその草木は垂れたままで元気を出そうとしてくれません。

 その球はどうしよどうしよと慌てふためいています。

 その慌てふためいた様子を他の球達に見つかってしまい、光っている球がみんな近づいてきました。

 光らない球は自分の事をそっちのけにして周りの球の光を草木に当てようとします。

 けれど、周りの光を当てても草木は元気になってくれません。

 そこで他の球達は光ってない球をグイグイ押し込みます。

 君が光ればなんとかなると言いたげな反応でした。

 そこで光ってない球は光ろうと動き回ります。

 目の前の草木のために一生懸命光ろうと頑張っています。

 そして徐々にではあるが少しずつ光っていきます。

 そして草木はそれに答えるように元気になっていきます。

 遂に草木は元気を取り戻しました。

 球達はそれを見て動き回って喜びを表現しています。

 光ってなかった球は今はとても輝いています。

 球は光ったことに自信を持ったのかいつもより一層輝いています。

 そして、これからはその球は今も輝いています。

 そしていつまでもその草木を見守っていたのでした。



 

 


 

 



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