第9話 逃げた先で
「ゼェ……ハァ…」
『し…し”ぬ”か”と”お”も”っ”た”』
「ふぅ!
久しぶりに良き運動をした!」
『ハク…ハァ
なんで…ゼェ
そんなに……元気ハァ、なの?ゼェ』
「ゲホッ
ゴリラ……」
「蛇じゃ!」
「そういう…ゼェ
意味じゃ…ない……わよゲホッ」
「主ら、ちと運動不慣れ過ぎではのうか?」
『ふぅ…
しょうがないでしょ、RPGで例えたらLv1でボスの巣窟に行くぐらいの負けイベだったんだから』
「あーるぴーじー?
まけいべ?とにかく、リリが魔王軍に追われているのは確かじゃな」
『なんでよ…
こちとら転生&異世界召喚されてきた一般ピーポーですが!!?!!??』
「リリ、キャラ崩壊してる」
『キャラ崩壊しないとやって行けないのよ!』
「いやそんなことは無い」
「主ら落ち着け」
『「ウィッス」』
「とにかく、リリとリンはLvを上げた方がいいじゃろうな」
『そうだね、
よく分からんが魔王に狙われるし、
どこの恋愛小説だよコノヤロウ
なんだ?じゃあこの後連れ去られた魔王城で魔王や魔物に好かれる禁断の恋物語でも始まんのかよ、ハハッ⤴︎︎︎
ふざけんなコノヤロウ↓
もう恋愛フラグだのなんだの全部へし折ったるわクソがよ』
『キャラ崩壊上等だわ
誰がモブだざけんなクソが
第1設定不憫すぎんだろ、せめて美少女にしろや、自分の隣に完璧美少女と美女がいてみ?死にたくなるから。
ってか、普通こんなヤツらがいたら鬱まっしぐらだよッ!!』
『せめてチート令嬢とかスカッと系にしろやッッッ』
「…リリはどうしたのじゃ?」
「気にしないで、たまにあぁなるから」
「それは普通じゃないね絶対」
「わぁどうしよう
話し方でキャラ区別してたのにハクが標準語話し出したらもう誰が喋ってるかわかんなーい」
「うふふ
どうしましたか?」
「えっ気持ち悪」
『聞けよ美人組
それとも私みたいなモブとは話したくないと!?ハッいいご身分だなコノヤロウ!
こちとら一応主人公だぞ!?』
♪ ピーンポーンパーンポーン↑
しばしお待ちください
♪ ピーンポーンパーンポーン↓
「……それじゃあ今からLv上げを始めるのじゃ」
『Lv上げって主に何するの?』
「簡単じゃよ、我が魔法を打ち続けるからそれら全て避けるのじゃ」
「ゑ」
「それでは行くのじゃ!
ウィンドカッター!」
そう言って、ハクが魔法を放つとシュンッと恐ろしい音をたて、こっちへ風の刃が向かってきた。
『え、えっと!
アイスウォール!!』
私は急いで、氷の壁を作った。
……が、ガシャンッと音をたて、それも壊れてしまった。
(ですよねぇ!?)
そりゃあ、そうだ。
相手はLv50、対する私はLv15、要するに……
『こんなの負けイベがすぎる!!!(泣)』
「それな!?」
「くふふ…
まだまだ行くのじゃ!」
『「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」』
そして数刻後
「ゼェ…ハァ…」
『ヒューゲホッゴホッ』
「ふむ、とりあえずこれでLvは30になったのぅ」
『いや……それはすごいけど……』
「鬼畜過ぎない……?」
「これが1番手っ取り早かったのじゃ」
『ハァ…
とりあえずご飯にしよう』
「うむ!」
「賛成!」
(作ったのは、ツナとマヨネーズとレタスのホットサンド。
ヴィクトリアで食料を調達しようと思ったけど、できなかったからあまり凝ったものは作れない。)
『と、なると…
食料調達したいなぁ…』
「む?ウサギなどを狩れば良いではのぅか?
リリは捌けるであろう?」
『まぁね
でも、調味料がなー』
「確かに、まさかヴィクトリアが魔王軍に攻め落とされていたなんてね…」
「魔王、か」
『ハク、そういえば魔王について何か知らないの?』
「我が知っているのはせいぜい、
魔王の見た目が”少年”というぐらいじゃな」
「少年?」
「うむ、人間で換算すると
大体12,13ぐらいじゃなかったかのぅ?」
『え、ガキじゃん』
「リリ、口調」
『あっ、ゴホンッ
そのガキ…じゃなかった魔王はなんで私を探してるの?』
「さぁな?」
「ん?
リリが前世に助けたとかじゃないの?」
『いや、全く覚えがない』キッパリ
「「『う~ん』」」
謎は深まるばかり。
その頃、
NOside
「魔王サマ、リリ・キサラギをミつけました」
「あぁ、ご苦労だった
下がってくれ」
「ハッ」
ギィィと重い音をたて部屋から出ていった魔物を見る影がひとつ。
「一体どれだけ待ったことか、
“予言”があったとはいえ、会いたくて仕方がなかった」
「次はしっかり逃げられないように…
いやニガサナイようにしなければ」
「待っていてね、
イトシィ子♥」
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