6首目 椿

かなしみに


濃淡ありて


くれないの


椿のごとし


今日のかなしみ


〔解説〕

何事にも、

濃淡というものがあって、

かなしみにも,

その日その日によって、

その時その時によって、

濃淡があるのでしょう。


掲出歌では、

例えば訃報のような、

真っ赤な椿のような、

かなしみを密かに抱えながら、

それでも今日を生きていこうとする

主人公の静かな覚悟を、

短歌で描いてみました。

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