第101話 バレー部、IH予選で勝ち進む。②
試合開始のホイッスルが鳴る。俺は前衛センターからスタート。
相手サーブからスタートする。
と同時に相手の吹奏楽の応援が始まる。
相手の千代田高校は吹奏楽の強豪校で、運動部の試合があったら9割前後応援に来ている。
吹奏楽で気がまぎれることもあるので、ある程度鋼の精神がないといけない。
相手サーブを軽く流し、助走開始。
あえて無駄に飛んで、後ろにいた夕凪のバックアタックが豪快に炸裂。
吹奏楽が止まり、俺ら黒鷺サイドの肉声応援団が大盛り上がり。ちなみにそういう部活とかではなくて有志たちが集まってるんだが、阪神ホーム戦ののチャンステーマくらいの声量がある。
その応援で調子が上がる黒鷺サイド。
甲斐がツーアタックを4連続で決めるなどし、大差で第一セットを奪い取った。
続く第2セットは18-13のタイミングで俺と夕凪と桂が下がり、先週の試合で活躍した北野、1年生の矢野と新座が上がる。
矢野は身長172cm。ちょこまか動き回って撹乱させるタイプのスパイカー。クイックに定評がある。
新座は身長175cm。桂とは同じ中学出身でジャンプフローターサーブで全国大会優勝に貢献したメンバー。ワンタッチがとてもうまく、相手スパイカーからしたら嫌なブロッカーである。
多分この3人を上げた理由は実力診断という意味と俺たち3年の引退後のスタメン選びの参考という面だと思う。
彼らは持ちうる実力を発揮し、第2セットも奪取。
またしてもストレート勝ち。今年の黒鷺もやはり強い。
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