第52話 バレー部、春高の舞台に立つ。⑦

試合開始を伝えるいかにも安そうな電子ベルが鳴る。


この試合はサーブ権を黒鷺が獲得。


最初のサーブは牧原先輩。


強烈なサーブが相手コートに向かうが、相手のリベロが綺麗に捌く。


それもそのはず、このリベロはU18の日本代表の正リベロだからだ。


綺麗なパスがセッターに返り、そこから強烈なスパイクが放たれる。


しかしこちらも八尾がしっかり捌いて渡先輩にパスが通る。


そして松尾先輩のバックアタックが炸裂。


ようやく1点が入った。


さすがにU18の日本代表が3人もいるチームだ。しかもU18で全員スタメン。俺と牧原先輩はプレイスタイルが似ているので2人のうちどっちかのみスタメン、どっちかはピンチサーバーみたいな感じで使われることが多い。


U18で5試合戦ったがスタメン試合は2試合で、ピンチサーバーとしては2試合出場。


残りの1試合はコンディション不良でベンチだった。

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