第2話 人生の岐路①

「よろしくお願いします。藤堂さん。」


と、一言だけ告げたのは転校生である博麗萌音。


「よろしく。」


一応話しかけられたので礼儀として挨拶を返す。


が、返事はなく、1時間目の現代文の時間へ。


どうやら教科書はもうとっくに配布されていたらしく、転校生が出てくる物語特有の机を寄せ合うイベントはないようだ。緊張しなくて済むからいいけど。


そして4時間目まで何事もなく進み、昼休憩に。


僕は凪という友人がいるが、凪はいつも他の友達と食べているので、僕はいつも屋上で一人優雅に食べている。


ちなみに弁当は自作だ。


今日も静かにお弁当を食べていると、どこかから足音がする。


念のため身を隠し、誰が来たかを確認する。


そしてドアが開き、やってきたのは、先ほどまで隣にいた転校生である博麗萌音その人だった。

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