ファイナルファントゥアズィー Final Fun to a-z

!~よたみてい書

第1話

a.俺は鳥取県鳥取市、砂丘海岸に設立されたマジリーパークに遊びに行くことにした。


b.マジリーパークは最近建設が完了した、大型の遊園地だ。


c.だけど一人で遊びに行けるほど俺は周りの目を無視できないので、友人を一人誘うことにした。


d.彼は大学で出来た仲のいい友達だ。

俺が入学してからすぐに仲良くなった。

最初に声を掛けたのは俺から。

今思い返せば、勇気を出して喋りかけてよかったと思う。


e.親友ともいえる彼の名前は、麻針あさしん

大人しい雰囲気をしていて、口数は多くない。

真面目な性格なので、付き合いに負担が無いので、ずっと一緒に居られるのだ。


f.車で移動し、到着したら入場料を払ってマジリーパークに入園する。

今日は土曜日ということで、休みの人が多いからか入園者の姿を多く見かける。

マジリーパークが賑やかになっていて、遊園地の活気づけに力を貸していた。


g.俺たちも園内の明るさに感化されてしまい、いつもよりテンションが上がっているのを感じる。

麻針の表情もいつもより笑顔が多いのが分かるし、俺の口端も上がっている気がする。


h.天気が良く、見晴らしがいいので、園内のアトラクションの建物もはっきりと見える。

建物群はまるで俺たちを歓迎しているかのように並んでそびえたっていた。

園内は現実とはかけ離れた風景をしていて、まるで幻想ファンタジー世界に迷い込んだようだ。


i.それから俺たちは1時間ほどアトラクションを堪能した。

主に絶叫系の乗り物に乗って、二人して日頃のうっ憤も一緒に吐き出すかのように叫んでいた。


j.次のアトラクションは何を乗ろうかと麻針と話しながら園内を歩いていると、マジリーパークの様子に異変が起きた。


k.とてつもなく大きな揺れがあり、建造物の外壁が剥がれ落ちたり、置物が転倒している。それどこらか建物が崩壊している所もあった。これは遊園地の催しとは思えない。

他の来園者たちも恐怖で不安な叫び声をあげていた。


l.すると、俺たちのスマートフォン、いや園内に居た全員の機器に不安をあおる音が発せられていた。


m.その場の全員がスマートフォンの画面を確認して、何が起こったのか、これから何が起こるのかを理解した。


n.早く逃げなければいけない。ここにいたら、海に引きずり込まれてしまう。


o.俺たちは駐車場に向かい、自分たちが乗ってきた車に乗ろうとする。


p.すると、麻針が体をひるがえして、マジリーパークに駆けていく。


q.俺は彼を止めようと声を掛けるけど、彼は一瞬こちらに振り返って伝言を残していく。

まだ園内に残っている人がいるかもしれない。見捨ては出来ない。もう少しだけ待っててほしい、と。


r.彼にそう頼まれて、渋々承諾する。


s.しかし、しばらく待っても彼が戻ってくる気配がない。


t.そして、スマートフォンで状況を確認すると、マジリーパークがすぐに逃げなければいけない危険な地域なのを知らせている。


u.他の来園者はもう周りに居ない。

このままでは自分の身が危ない。

麻針は今なにをしているのだろうか。

スマートフォンで彼に連絡を取ろうと試みる。

だけど返事がない。

気づいていないのだろうか。


v.麻針なら高い建物に避難したりしてなんとか対処するだろう。

俺は麻針を信じ、彼の帰りを待つのを諦めることにした。

随所にひびが入った車道シャドウを車で走り、マジリーパークを後にする。

麻針のことで頭がいっぱいで、運転に集中できなかった。


w.数日後、俺は鳥取市の海岸沿いで起こった出来事の情報を必死に集め続けている。

麻針がマジリーパークから脱出できたこと確認できるまで。


x.しかし、それから数週間経っても彼の無事を確認出来なかった。

あの日から、自分のスマートフォンに麻針からの返事はもらってない。


y.俺はなんてことをしてしまったんだ。

自分の身の安全を優先して、大切な親友を。


z.目から温かい水が勝手に溢れてくる。

その水は頬を伝って、しずくとなって床に落ちていった。

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