超名門魔導士ギルドに誘われた俺、初心者黒魔術師なんですが？～伝説の黒魔術師と瓜二つなんて聞いてない！～

序章

かつて、とある皇国に《反逆の新月》と呼ばれる魔導士ギルドが存在した。そのギルドはかつて皇国に従う魔導兵軍に所属していた旧魔導兵軍士長の漢の手によって突如として開かれた戦闘集団の集まりで強烈な災厄（フレイング・カラミティ）と噂される程だ。何をもってして《強烈な災厄》なのかというと、この集団のギルドマスターに当たる人物が旧魔導兵軍士長なだけあって、皇国内でも筋金入りの超実力派魔導士である強者が揃い踏みされているのである。

かつてこの俗世に波乱と地獄を呼び起こした黒炎の魔龍（エンデヴァル）を沈め召喚獣として扱う黒魔導士（バーミリオンルナティック）、いとも容易く簡単に異空間から数多の神器を召喚、それを己の武器として使いこなす女魔導士（ランスハイプリエステス）、そして、これらをまとめて指揮する不撓不屈の精神力をもつギルドマスター。（インファリブル・デーモン）その者たちで構成された皇国最強の集団にして最強最悪の集団は己が矜持をもってして全ての依頼を完遂した。そうして彼らは英雄として歴史に名を刻むことになる。しかし、時が経ち彼らの栄光も忘れさられる……はずだった。彼らは現在でも密かに存在している。幸か不幸か彼らの生存を知る者すら少ない。