第9話 共食い
すき焼き屋の荒井の奥では、店主の荒井が店員の猪熊と息をひそめていた。
「どうだ?」
「うめぇ~、これはイケます。“おでん”なんて久方ぶりですライ」
「毛が残っているのが問題じゃが、これは癖になるライ」
そして、荒井が言った。
「これはアイツラにも食わせてやろうぜ、共食いってやつだ。ははは」
共食い?
なんのことだろう……
その頃、にゃんじろうのおでん屋では。
「今日は定休日だ。たまには“すき焼き”とやらを食べてみるにゃん。皆も食べるにゃ」
飲食店は、半年に一度、大掃除をする。
それは、昆虫の駆除など法律で決まっているにゃ!
「にゃんじろうさん、この肉は牛肉じゃないにゃ」
「ふふふ、今流行りのジビエ肉だにゃ」
「うーん、スッキリとした赤肉だわにゃ」
「さくらちゃん達も気に入ってくれたにゃん」と、にゃんじろうは気を良くしていた。
そして、「そうにゃ、奴らに共食いさせるにゃ」
共食い?
なんのことだろうか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます