第3話 画像素材を作る男


 今の自分に出来ることからコツコツと。



 客観性があれば自分の実力、出来ることを把握出来る。

 己の能力を把握出来れば成功の可能性は高まる。


 一口に画像素材と言っても用途で

 ★動画向け・ゲーム制作向け・TRPGセッション向け・配信向け

 その中でも

 ★立ち絵・背景・オーバーレイ(配信などのウィンドウのこと)・小物

 と多種多様だ。


 最も稼げる立ち絵はスキルが足りない上に競争率が高い。プロレベル…ってかプロが供給しており入る隙が無い。

 考えた末、私は"動画向けの漫画的絵柄の小物素材"を主に制作することにした。

 初めは実験的に漫画・ゲーム制作向け素材も作ったが、私が主に投稿するサイト需要的に動画素材に収束し、それも人気素材ゆっくり・ずんだもんと衝突しない絵柄という方向性を取った。

 なお私の画力はアマのギャグ漫画描きとしてはそれなり、プロのギャグ作家としては少々足りないという辺りである。客観的に小物素材なら今の自分でもいけると踏んだのだ。


 画像素材制作を始めたのが2021年暮れ。

 2024年初頭、それはようやく実りつつある。

 まだまだ生活出来る収入には到底及ばぬが、月の小遣い程度稼げるようにはなってきた。


 「え、3年でそれだけ?」


 と感じる者が大半だろう。

 だが考えて欲しい。

 画像素材は一度描いてしまえば基本的に継続して収入が入る。ある日突然収益が途絶える、といった事が無い。しかも創作をやめても入り続ける、浮動性の無い収入となる。単価は低くともアマチュアにとって"安定した収入"は大きい。つまり…





 今後AIが神の如く進化し、ボタン一発で画像を捻り出すといった夢想的カタストロフが起こらぬ限り、画像素材制作は収入源として大安泰なのだ!





 めちゃくちゃ先見の明のある自分をめちゃくちゃ褒めてあげたい。

 やはり俺は天才に違いない。



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