164:世沸者の塔も強化します!
■ノノア 16歳 狐獣人
■第500期 Dランク【
私の【世沸者の塔】はFランクから一気にDランクへと上がりました。
直径500mの全三階層から、直径700mの全七階層へ。
全然予想していなかったことなので私はパニックになってしまいましたが、なんとか一・二階層だけを形にしDランクの塔としてのスタートを切ったのです。
侵入者の方々はどうなったかと言いますと、今まで入っていたFランクの方々は来られなくなり、代わりにE・Dランクの方々が入るようになったのです。
Dランクの方はCランクの塔にも挑めるのでおそらく同盟の皆さんの塔へと行くことが多いのでしょうが、それでも結構入って下さっているとは思います。
Fランクだけの時より少なくなるかと思いましたが実際はそんなこともなく、やはりEランクでもDランクでも入れると門戸が広がったおかげなのでしょう。
しかも最前線が一階層に逆戻りしました。
これまで謎解きを頑張っていた侵入者の方が入れなくなったのですから仕方ありません。
ランクアップに伴って一階層も弄りましたからね。そのせいもあると思います。
おそらくそのうち情報が広まるか、Fランクだった侵入者の方がランクアップして挑んでくるとは思いますが、それでも二階層を抜けるのは時間がかかると思います。
つまり三~六階層は全く創っていないんですよね。恥ずかしながら。
これは徐々に創っていければなと思っています。
ちなみに最前線を張っていたニーベルゲン騎士団の方々ですがプレオープンの時期を最後にいなくなってしまいました。
約一月ですか。アデルさんが仰っていたように戦費が足りなくなったのかもしれません。
非常に頑張って下さっていたので残念です。
ともかく塔の方はまだ焦って弄る必要がないので、報酬として頂いたTPは魔物に使おうかと思います。
あの戦いで失ったのは眷属の
それも大事な戦力なので改めて召喚するのですが、それ以上に強者の存在が必要だなと。
私は皆さんの塔に比べて貧弱ですしまともに戦える魔物もいない。
パルクでなんとか貢献できていたくらいですし、もうちょっと足を引っ張らずに頑張れればなと。
そういった悔しさや申し訳なさが、あの
改めて報酬である召喚魔物リストを眺めます。
=====
□ハイウィッチ/B/2,500TP(1回限り)
□ウィッチ/C/1,000TP(10回限り)
=====
これは【千計の塔】の報酬です。他にもゴブリンメイジなどもいます。
やろうと思えば魔法部隊が出来ますね。マジックスライムもいますし。
=====
□リッチ/A/15,000TP(全3回限り)
□デザートアサシン/B/2,800TP(1回限り)
□デスリーパー/A/9,000TP(1回限り)
=====
あとは【傲慢】同盟からの報酬。こちらが本命ですかね。
私は大型の魔物や固有魔物を選ばずに、人と同じ程度のサイズの魔物ばかりを選びました。
【世沸者の塔】の場合、大ボス部屋以外は全て狭いので、そこに配置することになっても問題ないようにと。
それに今回の
とりあえずデザートアサシンとリッチは召喚が確定です。
デザートアサシンは亜人系の魔物ですが斥候系でしょうし、うちの斥候はサーチスライムだけなので指揮官となればいいなぁと。
リッチは語るまでもない強さですし、アンデッドを召喚し指揮する能力もあるというので期待しています。
デスリーパーは悩んでいます。
これは大鎌を持ったアンデッド。防御のリッチに対して攻撃のデスリーパーという感じです。共に闇魔法を使いますね。
アンデッドの指揮はどちらもできます。ただデスリーパーはアンデッドを召喚できないようですので一先ず保留。
「パルク、アンデッドを眷属にしても大丈夫かな?」
「プルプル」
大丈夫そうです。最近パルクは私の頭の上に乗るのが好きなようです。
ちなみに膝の上はペコです。
神聖属性のパルクとアンデッドの相性が悪そうだったので聞いてみたのですが、大丈夫だと言うなら問題ありません。
眷属枠はあと二体。リッチは確定です。
デザートアサシンの眷属化を悩んでいますが……斥候部隊の指揮官とするならば眷属化は必須なんですよね。
でも枠を残しておきたい気持ちもありますし、デスリーパーに使いたい気持ちもあります。
それか高ランクのスライムでもいいかもしれません。
どうしたものかと悩み、相談することにしました。
こういうのはどなたにお聞きすればいいですかね……アデルさんですかね。お詳しそうです。
「す、すみませんアデルさん、今大丈夫ですか?」
『大丈夫ですわよ。珍しいですわね、ノノアさんから通信だなんて』
「あ、あの、召喚と眷属化で悩んでまして――」
私は色々と説明します。知恵を貸して下さい、助けて下さいと。
『なるほど……わたくしならばリッチのみ眷属化で止めておきますわね。召喚はしておいてもいいと思いますけれど』
「ああ、やっぱりそうですか……」
『ジータはどう思います?』
『俺ならデザートアサシンも召喚しねえな。リッチ一本で様子を見る』
えっ、リッチ以外は召喚自体やめておいたほうがいいと?
『まず眷属となったリッチがどの程度のアンデッドを召喚できるのか確認する。結果スケルトン十体しか召喚できねえとなってみろ。部隊は弱いしせっかくの指揮官としての能力が死んだままだ』
「た、たしかに」
『もし召喚で部隊を創れねえようなら今回の
『レジェンダリスケルトン、スケルトンナイト、ギガントグール、通常のグール……百体以上おりますわね。なんならリッチも全部で三体おりますし』
『だったらそれを使ってリッチ直属の部隊を創る。その為に召喚用のTPは使いてえな』
は~~なるほど。すごく参考になります。
「あ、ありがとうございます! さっそく試してみます!」
『参考になったのなら幸いですわ』
『あとは喋れる魔物見つけといたほうがいいぞ。どっかとバトってでもさっさと確保するんだな! ハハハッ!』
「あはは……そ、そうですね……」
眷属伝達でだいたい伝わるんですけどね。
でもこうして相談できる眷属が必要かもしれません。ドロシーさんじゃないですけど。
じゃあ眷属枠もその時の為に一つ余らせておきましょうか。
というわけでリッチを召喚します。
画面を操作。そして魔法陣から出てきたのは立派な黒衣を纏ったスケルトン。杖も豪華ですけどすごく禍々しいです。
リッチはこちらを見るとまるで紳士のような丁寧な礼をしました。意外とちゃんとしてますね。
「は、初めまして。私は【世沸者の塔】の塔主、ノノアと言います」
「ペコリ」
「貴方にはディーゴと名付けます。私の眷属になって下さい」
表情のない髑髏なのに驚いたのが分かりました。そして再び深い礼。
やっぱりちゃんとした人(?)ですね。私も塔主としてちゃんとしなければ。
それからディーゴには私の塔のことや現状について説明しました。
【世沸者の塔】が普通の塔とは違うことで随分と感心した様子を見せていました。
楽しそうにも見えましたね。謎かけとか創ってみたいのでしょうか。頭良さそうですし。
そしてディーゴの直属部隊を創るためにもアンデッドがどの程度召喚できるものなのかを聞きました。
召喚できるのはスケルトン(E)、スケルトンソードマン(D)、スケルトンガードナー(D)、スケルトンナイト(C)だそうです。
スケルトンナイトは眷属化したことによって召喚可能となったようですね。
一度召喚すればディーゴが死なない限り残り続けるそうですが、魔力的な問題でスケルトンでも一日に十体、ナイトだと一日一体がやっととのこと。
つまり十日でスケルトン百体の部隊ができるのですか! それはすごい!
と思いましたが、ディーゴが指揮をとれるのは二~三〇体くらいが限界とのことで、召喚のみの最大戦力となると一月かけてナイト三〇体となります。それでも相当ありがたいですけど。
一応、
Bランクのレジェンダリスケルトンやギガントグールでも指揮下に置くことは可能だそうです。
ただ別のリッチを指揮下に置き、そのリッチにも配下を創るなどした場合、ディーゴから別部隊の配下へと指示はできないそうなので、もしリッチを追加で召喚する際は気を付けてとのこと。
なるほど。小隊として動けても大隊としては動きにくいということですか。
アリと言えばアリですけどね、それでも。総指揮官となるディーゴに負担が掛かりそうではあります。
であればとりあえずディーゴには十日かけてナイトを十体ほど準備しておいてもらい、レジェンダリスケルトンを召喚するか、ギガントグールを召喚するか、はたまたデスリーパーを召喚するか検討しましょうか。
とりあえず私にも強力な部隊が出来そうで喜ばしいですね。
その後、アデルさんにもお礼の報告をしました。
色々と聞いたらこうでしたよと。
『なんでそんなリッチの言うことが分かりますの……? 眷属伝達ってレベルじゃありませんわよ……』
『嬢ちゃんには喋れる魔物なんかいらねえかもしれねえな……』
え……皆さん同じ感じじゃないんですか……? 私だけ……?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます