文豪ストレイドッグス 4 Years Later
柿月籠野(カキヅキコモノ)
中島敦消失事件
プロローグ
午前十時九分五十六秒。
国木田は予定通り自席から立ち上がり、敦の
その途中でちらりと窓の外に目を
「敦」
予定通り午前十時十分〇秒に敦の肩を叩くと、
「……お前、そろそろ新しい服を
敦は体質の
だがその敦が着ている服は
「いえ、いいんです。まだ着られるのに、
好きで着ているのなら、国木田がどうこう云うことはできないが――。
国木田は、〇・八
「敦」
再び「はい?」と呑気な声と顔で振り返った敦の耳に口を寄せ、国木田は何事かを
「いっ、
国木田の話を聞いた敦は、他の社員たちが仕事をしているのにも構わず大声で驚き喜ぶ。
「ああ。社長からの
国木田が云うと敦は表情を引き締め、座り直す。
「詳しくは今日の午後三時半、休憩時間の終了後に書類を渡すから、それを熟読して理解するように。だが――」
国木田はそこまで云うと、敦と話すために
「――まあ、分かるよな」
「はい」
敦は立ち上がり、「よろしくお願いします」と、深く頭を下げた。
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