第7話 大切なのは全体のバランスです
陽光の下に出て俺は内心、声を上げた。俺から見える光景は、見渡す限りの山々だったからだ。かなり標高は高く、また、針葉樹林だったので寒い地方なのかと思われた。植生は俺が知っているそれと同様と仮定すれば、だが。
「コール、道、分かる?」
ちっぱいエリカ嬢に指示されて初めて分かる。森の中に微かに拓けたつながりがある。デーモン族が使っている道だろうか。これを道と呼ぶのは俺の世界だったらもうプロのサバイバーと軍人と猟師だけに違いない。素人の目からはただの山の斜面だ。間違いなく、海外ドキュメント番組のヘリコプターから山の中に投下されて、脱出するコンテンツの世界である。
『わかった。だがこの形態では森の中を通るのが邪魔になる』
「移動速度より可搬性だ。コール、人型にチェンジ」
『ラーサ』
ビルス姉さんのコマンドで俺は人型に戻る。俺のサイズは2m半ばほどだが、両肩に女の子を2人担いでも、疲れることはないので問題ない。残る1人はビルス姉さんが先導を買って出た。
気温は20度ほどもある。寒くはないが、彼女たちの胸の谷間を見ているとどうにも寒く感じる。しかし神聖力を放出する魔法システム上、普段から胸をさらけだしているのに違いないが、日焼けがないのが不思議だ。日焼けすることはないのだろうか。
俺たちは急な斜面を下りながら周囲を窺う。
「これまで追っ手はスリーマンセルだけだったから、増援を呼ばれていなければまだ時間はあるな」
ビルス姉さんが振り返って言う。確かに俺の滑走速度はかなりのものがあった。十分引き離せただろう。追っ手全員が身体強化系だったら話は違うが。
「水場がありますが、どうしますか」
「姉様、ここで回復を図った方が――」
マリーさんがビルス姉さんに進言する。水場で回復を図るというのはどういう意味だろう。
「うん。水場に向かおう。幸いコールがいる。追撃の際は時間くらいは稼いでくれるだろ?」
ビルス姉さんが笑顔を向ける。初めて見る笑顔のような気がする。美人が笑うとなんともいえない。胸がぎゅっと掴まれるようだ。
『ラーサ』
自律システムが言ったかのように俺は自らその単語を口にした。
さて、しばらく歩いて谷に降りたところで、地下水が出ているところがあり、更にしばらく進むと小川になり、淵になっているところがあった。水はもちろん冷たいだろう。しかし淵を見つけるやいなや、3人は装備を外し始める。鎧は普通、1人では脱ぎ着できないものだが、この世界の鎧は工夫されており、すぐに脱ぐことができた。服も下着もすぐに脱ぎ捨て、3人は裸身を陽光に晒した。
『逃走中に水浴びか!?』
そういいつつ俺はガン見している。
なんとも素晴らしい光景だ。巨乳のビルス姉さんの乳は、張りだけでその形を保てず、美しくその重量を重力に従わせている。3を横にして少し広げたような形はまさに美だ。ユーレンの尻を国宝級と俺は言ったが、これもまた国宝級の乳である。先端は巨乳なだけあって相応に広がっているが、形は良いし、乳首は埋まっている。そのうち、こんにちわしたところを見たいものだ。
「水浴びではない。みそぎだ。みそぎを行うことで、神聖力が回復する」
一切隠すことなくビルス姉さんが俺を振り返る。男がいない世界なのだから羞恥心が消えていても不思議はない。堂々とした態度で裸身を晒されると俺の方が困ってくる。巨乳な上に腹筋がきれいに割れ、ウエストが細く、お尻だってデーモン族に負けないくらいいい形だ。惚れ惚れする。少々、歳は食っているがまだ20代半ばくらい。ぜんぜんありだ。
『それは失礼しました。では警戒します』
「よろしくね~~」
ちっぱいを陽光に晒し、エリカ嬢が小さく手を振った。
『おおお~~』
手を振ってちっぱいが揺れた。ちっぱいなのに、上を向いてすごくきれいだ。
俺はもうたまらなくなってくる。
スレンダーなのがいい。全てが細身だ。なのに筋肉はついている。きれいだ。お尻も小さいのにぷっくらと筋肉が載っている。最高だ。
「――冷たい」
俺はマリーさんの声に、目を向けた。
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