第24話 『024 短剣を買い替える』

『024 短剣を買い替える』


 難易度が高いと評判は下がり、プレイヤー人口は減る。

 それは運営会社の利益が減ると同じだから、少しずつダンジョンを難しくするものだ。

 転生したことで、運営会社の方針が変化したのか。

 そもそもアメリカに本社があるなら、日本の事情とは違うのもあるか。

 いわゆる洋ゲーという奴だ。

 難易度やゲーム事態が日本のゲームと考えが違うことはある。

 ダンジョンから帰ってきた冒険者パーティーの会話が聞こえる。


「激ムズだろ」


「難易度高いよな。俺は3階層が限界だったぜ」


「私も死にかかった。ちょっとダンジョンランクが高いし、見たことない難易度です」


「これじゃあ、初心者プレイヤーは厳しいぞ」


 プレーヤーの会話は総じて俺と同じ感想。

 どのプレーヤーも文句を言っているが受付嬢は聞こえていても無視だ。

 冷たいな。

 まあ受付嬢は優しくしろとはプログラムされていないから、仕方ないが。

 文句言っているのはレベルが低いプレーヤーと思う。

 他の依頼がいっさいなくなり、ダンジョンでしか報酬がでないとなれば、嫌でもダンジョンに行くしかなくて選択肢はなくなる。


「みんな文句を言ってます」


「ダンジョンが思ったよりも難易度が高いからだな。今後もダンジョンには行くとなるけどいいかなカリナ」


「大丈夫です。しかし短剣に問題が発生しているのです、見てください」


 カリナは自分の持っている短剣を出して見てみると、


「刃こぼれがある。短剣は使っていたから限界みたいだが」


「はい、ずっと長く使っていた」


「そしたら購入しよう。武器屋に行く」


 刃こぼれした武器は壊れるてしまうし、攻撃力は大幅に下がるとされるため、一定期間使用すると壊れるのはゲームでも設定であった。

 特に安い武器は早く壊れる傾向がある。

 武器と防具類も同じく長年使うと買い替えるのがいい。

 武器屋は街にあるからカリナと行ってみた。

 男性の店主が出てきた。


「どうぞ、いい武器があるぜ」


「短剣はあるかな」


「短剣ならこっちだ」


 短剣の品揃えもあった。

 カリナは俺よりも身長が低いし、俺が使う剣よりも短い剣が使いやすいかもな。

 短剣にも種類はあって、素材が違うのだろうが、高いほど効果は大きいのが武器を選ぶ際の判断材料だ。


「店主、私が短剣を使います。どれがおすすですか」


「獣人には短剣は相性はいいな。速度を活かせるし、重くもないから使いやすい。後は値段しだいか、値段は安いのから高いのがある」


「使っている短剣です」


「うう~ん、刃こぼれしているな。だいぶ長く使用しているのがわかる。買い替え時だな」


「買い替えどきだって」


「俺もそう思った。この短剣よりも高い短剣はどれかな?」


 俺は店主に聞いたのは、値段があるからで、今持っている手持ちの金と相談するため。

 魔物を討伐しているから報酬は得ているしが、上級者用の物は高くて手は出ない。


「そうだな、使っている短剣よりも攻撃力アップでそれほど高くないのはこの鉄のダガーだな」


「鉄のダガーですか。欲しいです」


 カリナが欲しいそうな顔を俺に向ける。

 可愛い顔されると俺も弱いみたいだ。

 値段は店主と相談すると買える金額を超えていたのが痛い。

 そこでダガーだけもらい受けて、支払いは何回かにわけて支払うのはできるかと相談したところ、店主はわかったと言ってくれた。

 俺が持っている金額では支払えないのを理解してくれたので嬉しい限りだ。


「嬉しいわ」


「良かったな。いい武器だよ」


「頑張るんだなカリナ。またいつでも俺の店に来ればいい」


「ありがとう店主」


 店主にお礼をして去った。

 今後は報酬を得たら、店主の店に行って残りの支払いをするようだな。

 

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