第18話 『018 ダンジョンが生まれた』

『018 ダンジョンが生まれた』


「ペドロ、あんな奴は文句を言えばいいのよ、私はペドロにあんな失礼なことを言うのは許せません」


「ありがとうカリナ」


「バクエンはいいけど、何か受付嬢が説明をするようですけど」


「何かな、聞いてみよう」


 バクエンとは距離を置いて、受付嬢から冒険者に対して説明がされそうだ。


「冒険者にお話があります、聞いてください。ここマロウ街の近くにダンジョンが出来ました。そのダンジョンは深さは不明ですが、魔物が多く出ています。街が危険な状態になりますので、冒険者への依頼は全てこのダンジョンへとなります。調査をお願いします。最深部まで行ってきたパーティーと冒険者には特別な報酬と、ランクパーティーアップを約束します」


「特別報酬だってよ、行くしかねえな」


「パーティーのランクアップなら美味しい仕事だぜ」


「私も行くしかないわね」


 受付嬢からの説明は新たに出来たダンジョン。

 ダンジョンに向かって行けという内容。

 報酬も上げますよっと言うのは、ギルドはよく使う手だ。

 そういう時はだいたいが危険だと思っていい。

 ゲーム運営側もゲームが面白くなるように色々と考えてくるのだ。

 イベントとも呼ばれる。

 しかし現在は本当にリアルな状態で遊びのゲームじゃない。

 楽しませたいからなら、運営会社の対応には疑ってしまうが。


「ダンジョンだって」


「俺達もみんな行けと言われるなら行くしかない。魔物がダンジョンから出ると街の人が被害にあうからだ」


「ダンジョンに行きましょう。魔物が倒せるか行ってわかると思う」


 カリナと相談してダンジョンに行こうと決まった。

 ギルドにるパーティーや冒険者は全員が話を聞いていたから、ダンジョンに行くだろう。

 後はそのダンジョンに行くとして、どの程度のレベルなのかだ。

 ダンジョンは階層があって、下の階層に行くほど強い魔物が出てくる傾向はある。

 深さもダンジョンによって違いがあり、深いダンジョンは難易度は難しいとされる。

 俺とカリナでダンジョンに行くとして、他にも冒険者パーティーも向かって行った。

 これがゲーム運営会社のイベントなのか、それとも異変が起きているのかは判断がつかない。

 イベントはあっても不思議ではないからか、冒険者パーティーはやる気だった。

 当然というかバクエンの団も見えた。

 バクエンの団がいると俺はやりにくいのはあるが、無視すればいいか。




 ダンジョンに到着。

 確かに俺の覚えている範囲のマップには、ここにはダンジョンはなかったから誕生したのだろう。

 大きな穴が出来ている。


「ペドロ、ダンジョンです。私はダンジョンには追放されたパーティーで入った経験があります」


「経験あるなら良かった。俺は経験ないんで、よろしくな」


「はい」


 カリナはダンジョンには入っているらしいから不安はないな。

 逆に俺はダンジョンオンラインではまだ始めたばかりで、レベルも低いしダンジョンオンは未経験。

 ただダンジョンには他のゲームでは経験はあるし、似ている部分はあるから、その経験で補えると思う。

 次々とパーティーは入って行くとバクエンの団もいて、


「ふふふ、ペドロも来たか。お前がインチキするのを見てやるよ」


「俺はインチキしてないよ」


 バクエンは俺に忠告するような言い方を。

 なるべく一緒に行動しないで行きたい。

 ダンジョンに入り進む。

 中はさっそく魔物と戦闘する冒険者パーティーがいた。

 ギルドが心配しているのは魔物が急激に増えていることだったが、説明通りに魔物はいた。


「カリナ、魔物と戦うぞ準備して」


「はい短剣で切ります」

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