第13話 『013 獣人カリナと会う』

『013 獣人カリナと会う』


 ただそうはいっても、無視はできないのもあり、カリナという獣人を救いたい気持ちになるが、俺はパーティーではないし、何も関係がないから、何もできないのが現状だ。


「おいカリナ、お前はパーティーから追放する。仲間にいても邪魔だ」


「そうだよ邪魔だぜ」


「わかりました。今までお世話になりました」


 食事をしていると、獣人はついに仲間からパーティーを追放。

 獣人も納得はしているっぽい。

 食事は終えてパーティーのメンバーらは店から出ていき、獣人の女の子だけがテーブルに残った。

 残った彼女は寂しそうにしているから俺は声をかけてみる。


「大丈夫かい?」


「大丈夫です。私はパーティーを追放された。頑張ってきたけども」


 追放されたとして彼女がAIプログラムなのかプレーヤーなのか気になったのは、プレーヤーと一緒にパーティーを作る気はないからで、AIプログラムなら仲間になれる。

 プレーヤーは困るのは、転移ポイントでレベルアップを教えることになるし、秘密にしておきたいのだ。


「聞きたいんだけど、キミは街で生まれたのかな」


「はい、生まれはここのマロウ街で生まれた。そして冒険者パーティーに入って活動してました」


「じゃあ俺と一緒に仲間になろうよ」


「いいのですか。私は単独よりもパーティーを組みたいです。よろしくお願いします」


「俺はペドロだ。剣士の職種。レベルは36」


「私はカリナです。見ての通りに獣人です。主に短剣を使います。魔法は使いません」


 カリナとパーティーを組むと決まった。

 急な展開ではあるが、カリナはAIプログラムということであるから、秘密は守られると思う。

 プレーヤーは生まれは日本だったりするわけで、街に生まれた設定はAIプログラムとなる。

 もちろんカリナが嘘を言ってないのが前提であるけど、俺はカリナの言うことを信じたい。

 短剣を使うようで、攻撃的なタイプらしい。

 そこは問題はない。

 食事をして体力は回復してきた。

 ゲームでは食事と宿泊によって体力は回復はする。

 それと回復薬も売っているから購入しておく。

 スケルトンとの戦いで傷はあるので。

 カリナは食事はしたのかな。


「食べるかい?」


「食べます、私は肉が好きです~」


「どうぞ食べな」


 お腹は空いていたようで、俺の頼んだ肉料理を食べだす。

 AIプログラムのキャラはゲーム内に多くいて、冒険者のキャラも存在する。

 プレーヤーだけが冒険者をするわけではないのは、他の農民とかにも言える。

 AIキャラとプレーヤーは混在しているけども、プレーヤーは自分を出さないのが通例。

 自分がどこに住んでいて、名前や職業などはゲームに会う人には秘密にするのがマナー。

 だからお互いにそこのところは聞かないし、聞かれたくないのだ。

 これはオンラインゲームには普通であるし、ペドロという名前もゲームのニックネーム。



 カリナと知り合い、これから一緒に行動する。

 この日はまだ時間はあっても宿に入るとした。

 カリナと会わなければ、冒険にも行けたが、今は無理はしなくてもいい。

 宿は金はあるので宿泊を決めて金は2人分の料金を払う。

 部屋は2人部屋で、ベッドも2つある部屋にしてもらった。


「ペドロはずっとソロでしたの?」


「ソロだよ。だからパーティーには慣れていないんだ」


「私はレベルは40です」


「40か。俺とそう変わらないな。その方が同じレベルの魔物と戦えるしいいよ」


 レベルが40というから同じくらいだったのは好都合か。

 魔物も低いレベルのと戦えばいいからで、でも俺の場合は転移ポイントでレベルアップの裏技があるから、あっという間にカリナのレベルを超えるけど。

 ベッドは別なので安心して寝てくれるだろう。

 まあAIプログラムで、実際に人間がプレイしているのでないなら、気にすることもないが。


「えっ、カリナの寝るベッドは違うよ」


「いいのよ、私はペドロと寝るの」


「ええええ」

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