記憶喪失になった彼女にこっぴどく振られた 記憶が戻ったらしいのですがもう遅い
みつき
記憶喪失になった彼女にこっぴどく振られた
居酒屋
がやがや がやがや
「っかーーーーーーーーーーーー!!憎たらしい!」
「おいおい酒飲みすぎだぞ」
「うるせーどうせ彼女持ちのお前に独身の俺の気持なんかわかるかよっての。やけ酒でもしなきゃやってらんねーよ!」
「まあほどほどにしておけよ」
俺、
俺には彼女がいる彼女の名前は
「うう、、おれだって必死に生きてるのに・・」
「そんなに落ち込むなって10時までは付き合ってやるよ」
「えーーなんで10時までなんだよぉ~」
「え?だって俺の愛しの彼女が家で待ってるから」
「うわーーーでたーーー!!!!!そうやってすーぐ惚気る!あーーー俺もかわいい女の子と同棲したーーい!!」
「お前のそういうところを直せば彼女なんてすぐにできると思うんだけどな、、」
その後どんどん酒を追加注文していく同僚を止めつつ10時には帰路についた
ガチャっ
「ただいまー」
「あ!おかえりー!やっと帰ってきた~はいぎゅーー」
「うわっびっくりしたー」
そんなことを言いつつ俺も彼女の背中に腕を回しハグをした
「ねえ今日ちょっと遅くな~い?もっと早く帰ってきてほしいな~」
「ごめんごめん次から気を付けるよ」
「ふ~んまあいいけどさ。で、ごはんにするお風呂にするそれともわ・た・s—————」
「さーてお風呂入るかー」
「もう!そこはわたしでしょーー!もういいもん!一緒にお風呂入るから!」
「ええーー」
「ええーじゃない!ほら脱いで!ほらはやく!」
「え、あ、いやっちょっ!」
その後、二つの意味ですっきりした俺は優奈と夕食を食べおえたあともいちゃついていた。こんなに可愛い彼女がいて俺は幸せだった。もう指輪は用意してある。近々プロポーズもする予定だ。
「じゃあ会社行ってきまーす」
「いってらっしゃーい。あ、今日友達と遊びに行くんだけどお土産楽しみにしてて!」
「おう楽しみにしてる」
彼女に見送られ俺は会社に向かった
プルルルル プルルルル がちゃ
「はいもしもし」
「あ、亮介くん?大変なのよ優奈が―———」
がらららららら
「はあっはあっ優奈!」
受付で優奈がいる部屋の番号を聞き大急ぎで病室までやってきた
「優奈大丈夫か!どこか痛いところとか―——」
ぱしっ
「、、え?」
伸ばした手を叩かれてどかされたことに驚いてしまったというか何か様子がおかしい気がする
「ちょっと、いきなり病室に入ってきて触ろうとしないでください誰ですかあなたは?気持ち悪い、、」
「え?い、いや、、え?」
意味が分からない。え?まさか嘘だろう?俺を覚えてい・・ない?
すると病室の扉が開き、医者と思しき人物が入ってきた
「ああ、荒木さんもういらしていたんですね。すいませんが一度外でお話をしても?」
「え、ええ構いません」
俺は医者の指示に従い廊下に出た。本当は優奈のことが心配で仕方がないが俺も少し聞きたいことがあったので従った
「えー荒木さん。彼女はあなたのことを恋人として認識できていましたか?」
「!!、、、、いえ」
「そうでしたか、、単刀直入に言います。加藤さんは記憶喪失です。」
「き、おく・・・そうしつ、、、」
俺は言葉がでなかった。これまでの俺と優奈の思い出はすべて優奈の頭の中からきえさってしまったのか?そんなのいやだ、、、、
「今回の事故で優奈さんは頭を強く打ってしまいました記憶喪失はそれが原因と考えられます。ああ、でも安心してください。あくまで一時的なものなので次第に回復していくはずです」
「そ、うですかわかりました」
そういうと医者は立ち去って行った
医者によるとあくまで一時的なもの、、か。俺は優奈の彼氏だ。優奈が困っているときに支えないでどうするんだ。優奈の両親は仕事の都合で海外にいるため帰国にはすこし時間がいるようだったので俺が支えなければいけない。いまは前だけ向いていこう
そこから俺は優奈に昔の話をするようになった。高校時代に俺たちが出会ったこと、付き合うようになって初めてのデートの話など。しかし優奈は目も合わせずにじっと窓を見ているただぼーっとつまらなさそうに。優奈は友達が多い。みんなお見舞いに来てくれていた。その間は俺は病室から出て行けと言われたりもしたが俺はめげずに毎日彼女の病室へ通った。
病室に通い始めて数日
「あのときは本当に面白かったなー俺も慌てちゃって何してるかわからなかったもんあ、あとはねー」
「ねえ」
「あ!やっと話してくれた!なになに?」
「ここ数日、ずううううっと我慢してたけどもう限界よ。最初は無視してればいいや程度だったけどもうやめたあんたずっと私のこと下の名前で呼んでくるし、ありもしない思い出話をしてくるし気持ち悪いのよ!」
「いや、それは優奈が記憶喪失で一時的に忘れているだけd」
「あーーー気持ち悪い!下の名前で呼ばないで!大体、医者も言ってたけど記憶喪失だからなに?たとえ記憶喪失していたとしても私が本当に付き合っているのなら忘れるはずがないでしょう?私はこれでも一途なのよ。けれど私はあんたのことなんかまったく知らない」
「一回落ち着いて・・それは忘れてるだけで・・・」
「落ち着いてるわよ!もう本当にしつこい!この際だから言わせてもらうけど私なんかがあんたみたいな凡人と付き合っているはずがないでしょ!よく考えてみなさい私とあんたが釣り合っているところはある?ないでしょ。」
「だけど、ほんとうにつきあっt」
「もし!仮に、億が一私とあんたが付き合っていたとしてもよ。別れましょ。これで私とあんたは赤の他人、部外者、もうあんたがここにいる意味はないわ」
「・・・・・・・・・・」
たしかに俺はなにも取り柄がない平々凡々だ。心のどこかではわかっていた。が、優奈は俺のことが好きだと言ってくれた。優奈は俺のことをたくさんほめてくれた認めてくれた。だけど記憶のない今の優奈は思っていることをそのまま口にしている。そう、優奈もわかっていたんだ俺と優奈は釣り合っていないことに・・・
「黙っているってことは言い返せないのね。あんたがいるとこの部屋の空気が汚れるのよ。さっさと出て行ってくれる?今日はお母さんがお見舞いに来てくれるの。お母さんの目を汚したくないわ」
「わかった。別れる。ただし条件がある。もし仮に記憶が戻ったりしても俺に連絡してくるな。俺に話しかけてくるなよ。家は・・・好きにしてくれ。俺は荷物を持ってでていくから」
「なーんだその程度もちろんよ。ほら別れたでしょさっさと出ていきなさい」
「今までありがとうね。ばいばい」
「はいはーい。んーーーーあんたがいなくなると分かると気分が晴れるわー」
「・・・・・・・・・」
そのまま俺は病室をでた。これでもう優奈とのかかわりは消えてしまった。俺はあふれ出そうになる涙を拭いながら同棲している自宅に帰宅した。荷物を持って出ていくために
数刻後 優奈視点
あいつはもうここに来ない。それが分かっただけで気分が爽快になる
それにしても暇だ入院中にやれることは少ない。読書かテレビ鑑賞、スマホは事故の時に壊れてしまい修理に出していてもう修理は終わったらしくお母さんが持ってきてくれるらしい。お母さんまだかなーー
事故で記憶喪失だと言われたときわけがわからなかった。だってほとんど全て覚えているから。だけどあいつ、私の彼氏を騙りありもしない思い出を懐かしむように楽しそうに笑顔で語るあいつを見ているともやもやする。私はそのもやもやを嫌悪感と思うようになった。そりゃあそうだよ。あんな奴が私の彼氏であるわけない私の彼氏はもっとイケメンなはずだ
「お母さんまだかなー」
「優奈?元気?」
「あーお母さんおそいー娘が事故で怪我してるっていうのにーー」
「ごめんねちょっとビザを取るのに時間がかかっちゃって。でも私がいない間は亮介君がいたからよかったでしょう」
「え?だれそれ?そんな人一度もきてないけど」
「なに言っているのよあんたの彼氏でしょ?」
「え!私彼氏いるの!えーー絶対かっこいいじゃーん」
「そうよあんたがいっつも惚気てきてうるさいのよ。あ、そういえばスマホ返すわねはい」
「やった~やっと退屈から解放される~」
私は母から修理されたスマホを受け取り、早速電源を入れた
するとそこには私の彼氏を騙る男とのツーショットのホーム画面が映し出された
「はい?え?どうゆu」 ズキン!
頭が急に痛くなったせいでスマホを放り投げてしまった。まるでなにかを思い出そうとしているかのように頭の中を何かが駆け巡る
「ちょっとっ優奈どうしたの!」
「う、ううう、わああああああああ!!!!!!」
頭の中にあの男との記憶が蘇ってきた
優奈どうしたの?顔が赤いよ?
優奈はかわいいね
優奈だいすきだよ
優奈? ゆうなぁ~ 優奈♪
私の大好きな亮君 いっつも幸せだった
高校で知り合って、同じ大学に行って、告白して、同棲までして
お互い社会人になって就職しても距離感なんて生まれてなくて毎日が幸せ
わたしはこれからも亮君と一緒にいる!
私は隣で手を握っている亮君を見た
「亮君どうしたの?そんなに俯いちゃって」
傷ついたなぁ
「え?」
亮君は手を離した
やっぱりごめん優奈とはやっていけないや
「え?ど、どういうこと!?急すぎるよ!ちゃんと説明して!」
私を置いて亮君は歩き出した
じゃあね二度と関わらないでね
「いや!いかないで!別れたくない!」
亮君はそのまま歩き続ける
これからよろしくね
うん!
「いや、待って、横にいるその女は誰?ねえまってよ!待ってってば!」
夢の中の亮君は私の知らない女と光の中へ向かって歩いて消えていく
そこで私は意識を取り戻した
「っっっつ!!はあっはあっはあっ」
「優奈!?意識を取り戻したのね!よかったわ!あなたったら急に意識を失ってもう私どうしたらいいかわからなくて、、、、ところで、なんで泣いているの?」
「思い・・出した」
全て思い出した。私の彼氏とのこれまでの思い出、亮君と一緒に過ごした記憶全部。
「うわあああああ!!!」
それと同時に私が犯してしまった罪もわかってしまった。私は亮君をひどく傷つけてしまった。私の本心ではない言葉もたくさん言ったほんとは亮君のこと大好きだし気持ち悪いと思ったことなんて一度もなかったそれなのに私は、、、、
今までありがとうね。ばいばい
彼から言われた言葉を思い返す
私と亮君が別れる?赤の他人になるってこと?私は彼女ではなくなる彼と笑いあうことができない彼と愛し合うこともできない、もう彼のお嫁さんになれない
いやだ
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやいやだいやだだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやいやだいやだだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやいやだいやだだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやいやだいやだだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやいやだいやだだいやだ
別れたくないずっと一緒にいたい 他の女のところになんていかせない
数週間後
「あ、あの!少しお話をさせてもらえませんか?」
「断る帰れ」
「ほんとにちょっとだけでいいので!お願いします!」
「うるさい」
「私が悪かったの。ほんとに、あなたを傷つけてしまってごめんなさい。許されるとは思っていないけど許されるまで何度でも謝ります」
「わかった。許す」
「え?ほんと?・・・・・ありがとう本当にごめんね。こんな私を許すなんて、、私これからもっと頑張るからさだから―——————」
「早く帰って」
「・・・・え?な、なんで?許してくれたんだよね?ならなんで彼女に対して帰れなんて言うの?これからまた二人で同棲していくための物件もきめなきゃだしーあ、もしかして今はタイミング悪かった?ごめんね気づかなくて、でも大丈夫だよそういうことは全部わたしとスれば―――――」
「そういうのじゃなくてさ。もう許したんだから帰ってくれないか?彼女が起きちまう」
「え?な、なに言ってるの?君の彼女は私でしょ?」
「前に言っただろ?復縁は絶対にしないって。それが条件で別れたんだ今更なにをいってこようと無駄だよ」
「いやいや、それはだから許してもらったからなしってことじゃ・・・ないの?・・・・・ていうかさ、なにその首元の紅い傷、それに何個も、、ねえ?まさか私以外の女がいるの?ねえどういうこと?ねえってば!!」
「なんでもいいだろ。じゃあな」
「いや!!いやだいやだ!!認めない!君の彼女は私だけなの!世界で一番亮君を知ってるし愛してる!だから!!お願い!私からはなれていこうとしないで!!」
「・・・・・・・」 バタン 扉の閉じる音がした
「いや、いや、いやだ!!別れたくない!!ねえお願い開けて!もう一度私にチャンスを頂戴よ!!ねええええええ!!うわああああああ!!!」
そこには
記憶喪失になった彼女にこっぴどく振られた 記憶が戻ったらしいのですがもう遅い みつき @ALBA_Michael
★で称える
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