第7話 巨大地下施設 その3

近道 保志

 


 ウンウンと自動車の唸る音。それと同時に、道路を激しく熱せられた真っ赤な鉄鋼が走ってきた。


 超高温の鉄鋼は東の方の真っ暗な洞窟へと向かっている。

 暗闇の洞窟内が焼けた走る鋼鉄によって、内部がここからもわかった。産業機械が所狭しと立ち並ぶ。何かの工場のようだ。


「ヘッ、へッ、ゼエ……」


 おれは走っていた。

 脇腹を抑えて。

 不気味な洞窟へと。

 こんなところ一秒だっていられない。


 後ろから電気自動車が追いかけてくるようだった。


「おれを轢く気かーー!! この野郎ーーー!!」


 取り敢えず後ろで運転している奴に唾を吐いて、怒鳴った。

 

 ここは、どこだ? 


 どうなってる? 何がどうなってる?


 一体? ここは地球のどこなんだ?


 おれは何故こんなところにいる?


 それになんだか、わざとらしい。


 何か嫌な予感がする。


 機械でおれを轢き殺したり、ミンチにしようとか、バラバラにしよとか……要するに殺したいんだろう。


 冗談じゃねえーーー!!


 もはや、ここがどんな場所なのかわかってきた。

 様々な機械で人殺しをして、何かの研究とか実験とかをしようとしている。そんな感じだろう。

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