フユ君

ホラホラここに… 


ほおに吐息を吹きかけて 今朝も居るよとシタリ顔

いやなヤツだと無視しても ソイツはヒキヒキわらってます

あるいは窓辺に立ちよって ケタケタ硝子ガラスを震わせる

うるさいナァとにらんでも 視線の先には もういない


そのサケビ 何?


うかつに触れると指先はホシバナナ 

少しずつドス黒く変わり 

やがて痛みもなく崩れ落ちる


やにわに微笑ほほえみかけられると 

ノウの裏側から溶けるような無意識 

すぐさま果てしなき流刑地へ連れ去られ

凍てついたマブタは閉じることはない


まったく モゥ!


寒い明け方ムザンな時間 アイツがそばにいるからです

早くどいてと急かしても ウス目を開けて知らんプリ

春の木漏こもれれ日おり立つまで ズゥットそこに居座って

ヒキヒキヒキヒキわらうでしょう

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