第124話 怒鳴られた娘
次女の学校へ行った。保護者説明会。
次女は、幼稚園から一貫校に通っている。
言われたわけではないが、保護者の御母様達は黒や紺色といった地味な服で出席するのが恒例の保護者会スタイル。
最寄り駅からカラスのような軍団が歩いているのは異常な光景だ㊙
そう思いながらも、私も久々に「御母様制服」のワンピースに髪をま黒い髪留めでまとめた。
足取りは重い…。
次女は、この夏の海外研修で「死ぬほど怒鳴られた」らしい。
相手は、引率の女性の英語教員。
保守的な一貫校には珍しいタイプの先生で、海外経験もある事もある御経験からか?感情に忠実なようで、生徒に怒鳴る。
おそらく次女のように、目立つタイプを好まないようだ。
次女と数人の友人達が、先生の指示にそぐわない行為をしたのは事実だろう。
ただ、帰宅開口一番「あれ程に怒鳴られるなら死にたい」と言った程に怒鳴る事が必要だったのか?と疑問を抱く。
父親に怒鳴られ慣れており、幼い頃から病気と共存している次女が「死にたい」というのは珍しい。
勿論、一方的に子供の説明だけで判断してはいけない。
その英語教員も参加する保護者会。
何か聞きたい…のが本音。
しかし、何も言わなかった。
高々とスライドを使い教師像を述べるその女性教師…遠くから眺めるに留めた。
娘達の学校は、世間的には伝統ある一貫校。
中身は、ドロドロしている。
この数年だけでも、教師が数名警察沙汰の事件を起こした。
その教師達は、いずれも各々に退職し子供達は1枚の紙切れを渡されて帰宅。
いつも「一身上の理由により退職」と。
間違ってはいない。
わいせつ行為は、一身上の理由…
新聞記事、今の時代はネットでもあっという間に情報が出る。
ほんの数分の場所にある同じ系列校で、子供が校舎から飛んだ。命は無事だ。
学校は、何も説明はない。
グレーな事柄が起こった時、蓋をするか?あえて公にし説明するのか…どちらを選択するか。
日常から「◯◯のクレー厶を近隣の方から受けております。 ◯◯だと駅の利用者からお叱りを受けております。」と生徒や保護者には厳しく叱責するならば、どちらを選択すべきなのか。
明らかに先生との力関係が偏っている。
私は私立など選びようのない地方で、野生で育ってきた。
初めて経験する世界。
「御母様」を最後までやり遂げられるだろうか。
ゴールまであと数年。
夫は、今日も「儲かりまっせ」な医療経営セミナーに参加。
まだ3歳になるかならないかの娘を連れて、親子面接に向かった日から15年。
お受験塾に行かず入園したのは、学年で我が家とあと数組だった。
あの日から謎に包まれた世界で、一種独特な教師達との距離を保ちながらやってきた。
流石にもういいんじゃないか…と思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます