第91話 二十歳の母

昨日、久しぶりに従姉妹とランチへ。

席に着くなり「これ開けてみて!」とニコニコしている。


古い大きな封筒。

何だろう?

思い当たる節がない。

ゆっくり取り出しててみると、台紙が出てきた。

写真?


母の二十歳の時の写真だった。

淡い桃色に鳳凰、凛と佇む振袖姿の母。

ふと裏に目をやると、銀座の写真館のお名前が。

母は地方から都内の学校に進学したので、その時に撮られたのものだろう。

五人兄弟の母。二番目の伯母から預かったとのこと。

おそらく…銀行員と結婚して都内に暮らしていた叔母に「誰かいい人がいたら」と祖母が渡したのだろう…。

夜、伯母に確認したら図星だった。


生憎、母は父と出会ってしまったが。。。

あの時、この写真が活躍してくれていたら…私もまた違った人生だったかな〜と少しばかり違った自分に想いを馳せる。

ふふふっ。

母がなかなか可愛らしくて、長女と笑ってしまった。母にも母なりの青春があったのだろう。。。

運命?人生?って不思議だ。

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