第32話 お金

春休みになり、子供達は口々に「お金ない〜」

そして私も「お金ない〜」。。。

子供達は、各々に卒業◯◯といった遊びに誘われることが多く、私は私学は一切関与しないと夫から言い放たれ、この一年の受験費用から入学手続きやらと、資金のやり繰りに奮闘してきた。

そして、来週からの帰省。

一人ではなく三人分となれば、帰省費用もそれなりにかかる。


我が家の生活費は、相変わらず謎に分けられた二つの封筒。

例え帰省であっても、どちらの封筒にも追加はなく…だからといって諦める訳にもいかず。


春は、何処の家庭もきっと同じような事が起こっているのだろう。

春とは言わず…この物価高騰では一年中資金のやり繰りに奮闘といったところだ。


それに引き換え、うちの夫の荷物は毎日続々と届く。私は彼の資金ぶりは知らないが、資金に余裕があるのが垣間見える。

犬の散歩中にさえ、宅配業者さんから声をかけていただき「荷物ありますけど、何時くらいなら戻ります?」等と聞かれる日々。


勿論、安全の為に彼自信がこだわり抜いた続々と届く食材は、有り難く使わせていただく。

一時期は何年も、大事そうに放射能測定器を片手に出掛けていた夫。

放射能に農薬に保存液、着色料…そして国産にこだわり、例え国産であっても加工品や、缶は長きにわたり缶の成分が中に溶け出しているからと決して口にはしない。

結婚してから、缶ジュースを飲んだところを見たことがない。

以前、山でハイキング中〜下山にかなりの時間を要した後ですら、田舎町の缶しか扱わない自販機で飲み物を彼は購入することはなかった。

理由は、上記の通り。溶け出しているから。

私は、喉の乾きが悲鳴を上げていた為、即座に購入。その場で飲んだ。


そんな主婦の私は、どのような食材も〜届いた物や遠方から送って下さった物も、有り難く美味しく使い、食費を如何に安く済ませるか奮闘中。


んっ?今日クラフトビールが届いていたような。

缶ビールだけは、良いようだ。。。

きっと溶け出さない魔法がかかっているという事にしておこう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る