第37話
「先生ぇ……!鶴川先生っ……!」
大粒の涙を流しながら少女が手を伸ばし、俺の名を呼ぶ。だが、俺はその手を取ることは許されず、少女が離れていくのを見守ることしかできなかった。
中学一年生の明智真鈴がいくら抵抗したところで、彼女の父親に力で敵うはずもなく、彼女は塾の外へと連れ去られていく。もしかしたら彼女は二度とこの塾には現れないかもしれない。そう予感しているのが俺だけでないから彼女は泣いているのだろう。
だから俺はせめて、またここに戻って来れるんだと、彼女に希望を持たせるように言葉を伝えた。
「明智さん、また、明日……!」
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