フリマサイトでスマホを買ったら何故か幼馴染が届いたんだが?

アキノリ@pokkey11.1

第一章 届けに来たよ~

嘘...だろ。

第1話 届いたスマホ

☆神嶋徹(こうしまとおる)サイド☆


ある日、3月の中旬。

俺はフリマサイトで良さげなスマホを見つけた。

1年しか使用してないという256ギガバイトの安いスマホ。

丁度、俺のスマホがポンコツになりつつあったので1万円出してそのスマホを買う事にした。

出品者は(のざき)という名前の出品者だった。


俺は購入ボタンを押してからそのまま配送まで待つ事にした。

それから数時間後の丁度今だが(配送ですけど)と取引メッセージが来た。

やけに早いな。


(配送されたんですね)

(いえ。配送は...その)

(?)


俺は「?」を浮かべながらメッセージを見る。

それから取引メッセージが送られてくるのを待って見ていると(スマホは私が直接届けに行きます)とメッセージが送られてきた。

俺はビックリしながら(近所ですか?)と聞いてみる。

すると出品者は頷く様なメッセージを送ってきた。


(そうなんですね。じゃあ届けてもらっても構いませんか)

(は、はい)

(分かりました。待っておきます)


それから俺は待つ事にした。

というかこの近所に住んでいるのか?

もしかして俺のクラスメイト...まさか俺の幼馴染?


って有り得ないな。

中学以来疎遠になっているしな。

思いながら俺はポンコツの充電がすぐ切れるスマホを投げ捨てた。

それから待つ事...10分。

インターフォンが鳴る。


え?ちょっと待て。早すぎやしないか。

考えながら俺は降りてから玄関を開ける。

そして顎が落ちた。


何故ならそこには2年ぐらい疎遠になっている美少女が。

いや。

住山楓(すみやまかえで)が居たから。

ボブヘアーのとても可愛くなっている美少女。

ませがきだった少女だった幼馴染。


「待て。何をしに来たお前」

「...出品者です」

「?...何を言っている」

「だから!出品者!!!!!」

「...あい?」


俺は唖然として考える。

それから愕然とした。

まさかそんな馬鹿な事が!!!!?

この近所ってお前かよ!!!!!


「スマホってお前が使っていたのか!?」

「そうだよ!悪い!!!!?」

「悪くは無いけど!?」

「まさかだったよ!配送先住所も名前もここだったし!」

「ありえない!」


そんな感じでぎゃいぎゃい言いながら俺達は言い争う。

それから息を切らしてから額に手を添える。

マジにコイツだったとは。

そう思いながらだ。


「...あー。取り敢えずサンキューな」

「...う、うん」

「物はあるか?」

「...私が使っていたスマホをアンタが使うの抵抗がある」

「...ならなんで出品したんだ貴様」


意味が分からない!!!!!

オラの1万円返して!

俺のお年玉だぞ!

思いながら俺は楓を見る。

すると楓は手を広げた。


「だ、だからスマホの代わりに私を貰って。スマホは嫌」

「...何を訳の分からない事を言ってんだ」

「...良いから。お金も返す。スマホは別のを買ってほしい」

「...は?」


意味が分からず俺は数秒考える。

そして俺は赤面してから顔を上げた。

この馬鹿野郎まさか!

俺は首を振ってから「お前は何を言っているんだ!!!!!」と絶句する。


「貰って」

「...何を命令形で言ってんだ」

「...貰ってくれないの?」


何で泣きそうな顔をしているんだ!

ああ訳が分からん!

俺はそう思いながら楓を見る。

そして「俺はお前には似つかわしく無いんだよ!っていうかお前俺が好きだったのか!?」と慌てる。

すると楓は「私は好きなんじゃないよアンタなんか。試しているだけだし」と答えた。


「...そんな泣き顔を晒している癖によく言うなお前...」

「あれあれぇ?オタクにはキツイかな?私は」

「...」


腹立つガキだ。

俺が認める訳にはいかないな。

こんなガキに!

思いながら俺は「1万円は要らない」と踵を返した。


「その代わり条件がある」

「...え?何の?」

「昼のお弁当を作れ。食費はそれから」

「...な、何でそんな事を」

「悔しいから」

「うぬぬぬぬ」


そう言いながらも楓はため息交じりに「分かった」と納得した。

何だコイツ。

しぶしぶでも納得とは気味が悪い。

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